三菱みらい育成財団 高校生MIRAI万博 開催報告

「三菱みらい育成財団
高校生MIRAI万博」
開催報告

2025年7月31日、大阪・関西万博にて、「三菱みらい育成財団 高校生MIRAI万博」を開催しました。
第1部「高校生たちの成果発表」では、助成対象校の高校生が学校で取り組んだ探究学習や探究活動の成果を発表。 364 チームの応募の中から選ばれた最優秀賞の6チームが日頃の探究活動の成果をEXPO ホール「シャインハット」にて発表、優秀賞の14チームがウーマンズパビリオン「WA」スペースにて発表しました。
第2部では、全国の助成対象校の高校生から選抜された60名が5人1組12チームをつくり、3回の合宿や期間中の活動を通して、「高校生による世界への発信」をテーマに、提言やメッセージを練り上げてきました。2025年3月の発表・審査会で代表3チーム、特別賞として1チームを選出。その他のチームのメンバーはイベント部とプロモーション部に分かれ、本番まで「60人1チーム」を合言葉に、世界に向けて高校生からのメッセージを発信しました。当日は高校生や来場者、関係者を含め、約1900人の方にご参加いただきました。この日のために1年間準備を重ねてきた全157人の生徒たちの当日の様子をご紹介します。

「三菱みらい育成財団
高校生MIRAI万博」
ダイジェスト映像

「三菱みらい育成財団
高校生MIRAI万博」
公式サイトはこちらから
11:00~12:10
ウーマンズパビリオン
「WA」スペース

第1部
「高校生たちの成果発表」
第1ブロック

第1部
第1ブロックの
配信動画はこちらから

香川県立高松高等学校
「高松高校人道プログラム」

熊本県立熊本高等学校
「VR熊本城」

広島市立舟入高等学校
長崎県立長崎東中学校・高等学校
「ヒロシマ・ナガサキ
平和プロジェクトチーム」

東京都立成瀬高等学校
町田活性化プロジェクト

12:40~14:10
ウーマンズパビリオン
「WA」スペース

第1部
「高校生たちの成果発表」
第2ブロック

第1部
第2ブロックの
配信動画はこちらから

兵庫県立千種高等学校
「チームコメクション」

京都市立堀川高等学校
「Piologue」

東京都立国分寺高等学校
「東京都立国分寺高等学校
生物部カラスバト音声班」

香川県立小豆島中央高等学校
「瀬戸内tears」

熊本県立小国高等学校
「OGUNI-GOプロジェクト推進チーム」

14:40~16:10
ウーマンズパビリオン
「WA」スペース

第1部
「高校生たちの成果発表」
第3ブロック

第1部
第3ブロックの
配信動画はこちらから

愛媛県立松山東高等学校
「チーム防災」

大阪府立淀商業高等学校
「AKINDO SPARKLE ENTERPRISE」

埼玉県立不動岡高等学校
「KAMON!」

愛媛県立今治東中等教育学校
「SFキーパーズ」

石川県立輪島高等学校
「被災した高校生が本気で復興してみた」

14:45~
EXPOホール
「シャインハット」

「三菱みらい育成財団
高校生MIRAI万博」
オープニング

EXPOホール
「シャインハット」の
配信映像はこちらから
EXPOホール
「シャインハット」英語同時通訳
配信映像はこちらから

いよいよEXPOホール「シャインハット」で始まった「三菱みらい育成財団 高校生MIRAI万博」。開会にあたり、財団理事長の宮永俊一が挨拶を行いました。財団設立の意義や経緯に触れつつ、日本の高校生の探究活動を広く社会に伝えたい、他校や社会とのつながりを生む機会を作りたいという現場の先生方の声が、万博開催の契機となったことを説明しました。最後に、来場者や視聴者に向けて「高校生たちの真剣な眼差しと熱意あふれる挑戦を通じて、未来への芽吹きを感じていただければ幸いです」と呼びかけ、開会のご挨拶とさせていただきました。

15:00~
EXPOホール
シャインハット

第1部
「高校生たちの成果発表」
最優秀6チーム発表

第1部
最優秀賞6チーム発表の
配信映像はこちらから

宮崎県立宮崎大宮高等学校
/Shiira
「シイラの魚醤はおいしいら?」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 魚醤を思いついたのがすごい!シイラの魚醤の強みを科学的に検証していて、説得力あります!料理に使ってみたい!
  • 地元の自然に関心と愛情があるからこその研究ですね。
  • Wonderfully throughout and clear to the point.(全体を通して素晴らしく、要点がわかりやすかった)

和歌山信愛高等学校/i-girl
「美と倫理の融合
次世代のメイクブラシ」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 1人でこのクオリティは凄すぎる。
  • 商品を開発していく流れが秀逸であることもさることながら、未来のビジョンが具体的かつ世界規模の課題を見据えていて、とても高校生とは思えないほど素晴らしかったです。日本の未来は明るいと思いました。
  • Very innovative project. I would like to actually use it.(とても革新的なプロジェクト。実際に使ってみたい)

北海道更別農業高等学校/
地域資源活用分会
「規格外野菜の加工品開発と
環境ビジネスへの挑戦」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 「廃棄」と聞くともったいないという感覚はあるが、肥料化や輸入に伴うCO2の排出にまで視野が広がっている点にまず驚いた。その上で、他の商品との差別化や利率の計上等、もはや立派な企業だと思いました。すごい。
  • 先輩の取組みを受け継いで発展されている点に、組織としてのドラマがあると思いました。この後に続くであろう後輩の方々にも受け継いでいくことで、どんどん課題解決力が高まっていく見通しが持てて、素晴らしい。
  • Young ideas and local business! Great collaboration. Well done. (若いアイデアと地元企業の素晴らしいコラボレーションですね! )

長崎県立長崎東中学校・高等学校/Peace Creators from Nagasaki
「Critical Thinking for Peace~絵本を通した
新しい平和教育~」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 今の若い世代は、物事を俯瞰的に見る視点が進化しているように思います。10代でこれを作るとは画期的!
  • 広島出身で同じ被爆地出身の人間として考えさせられる発表でした。子どもたちの教育教材はとても怖くなりがち、トラウマになりがちだけどこの絵本は間接的に考えることができいいなと思いました!
  • I really want you to do this kind of activity in the USA(アメリカでもぜひこのような活動をしてほしいです)

山口県立山口高等学校/
カトマンズ「カエデの種の研究~モデルを用いた重心と軌道の解析」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 実験でさらっと2次元コードやiPhoneを活用しているのがデジタルネイティブ世代らしいと感じました。
  • 高校ってここまでやるの…?
  • これぞ理系という感じですね。こういう基礎研究的なものが技術立国を作ってきたんです。これからの日本のためにがんばってください。

静岡県立榛原高等学校/
ここよ!避難所プロジェクト
「防災ゲームで考える命の守り方」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 小学生に防災教育を広げることが高齢者にも防災意識を広めることにつながる、という着眼点になるほどと思わされました。
  • 自分の経験を、周りの人を助ける自分の命を守るということをもとにゲームに繋げるのがすごかった。
  • 北陸の者です。自治会の役をやっていますが市主催の防災訓練に参加してくれる人が自治会役員と年寄りのみ。地震経験したのにそんなもんです。発表してもらった内容を地域でもやってもらいたい。本当にそう思います。
13:30~
EXPOホール
「シャインハット」前

CHIGUHAGUちゅーにんぐ(チグハグチューニング)
「多様性×食=
未来のあたりまえ」

 CHIGUHAGUちゅーにんぐが取り組んだのは、「多様性と食」に関する課題。アレルギーや宗教による食の制限があっても、誰もが同じものを食べ、同じテーブルを囲める社会の実現を目指し、専門家へのヒアリングを重ね、多くの人が安心して食べられるレシピを開発。審査会では実際に「彩りいなり寿司」を作って審査会で試食してもらい、食のバリアフリーについて提案し、見事特別賞を受賞しました。
 万博では、真夏の開催を考慮し、特定原材料28品目を使用せず、さらにイスラム教のハラルにも対応した冷凍の「いちご大福」を地元の和菓子店と協力して開発。300個を無料で提供しました。シャインハット前には長蛇の列ができ、お渡しした皆さまには、召し上がっていただきながら、これまでの取組みや開発の経緯を紹介。最後にメンバーが「同じ味を同じ場で同じ時間に共有できたことをうれしく思います。それでは一緒に『ごちそうさま』を言いましょう」と呼びかけると、全員で「ごちそうさまでした!」と声を合わせて挨拶。「おいしかったよ!」「ありがとう!」といった感謝の声も飛び交い、大盛況のうちに「完食」となりました。

16:40 ~
EXPOホール
シャインハット

第2部
「高校生による
世界への発信」

 休憩を挟んで第2部の発表が始まりました。第2部では、全国から集まった60人で5人1組の12チームを結成。実際に万博で発表するのは3チームとなるため、ライバル同士でもありましたが、1年間の合宿などの取組みを通して、「60人ワンチーム」として、同じ志を持つ仲間として交流を深めてきました。その過程を、映像や参加者のメッセージで振り返り、その後は12チーム全員がチーム名と取り組んできた活動のテーマについて紹介しました。
 最後に2部のメンバーが、「発表を見て心が動いた瞬間があったら、手元の携帯のライトをつけて、発表者に向けて振ってほしい」と来場者の方にお願いし、代表となった3チームのメンバーに発表のバトンを渡しました。

16:40 ~
EXPOホール
シャインハット

第2部
「高校生による世界への
発信」代表3チーム発表

第2部
代表3チーム発表の
配信映像はこちらから

ONEBANPAK(ワンバンパク)
「年齢から解き放たれた世界へ」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 物語形式で凄く分かりやすく頭にするりと入っていきやすかった。
  • 確かに年齢で偏見はいっぱい持っていたことに今まで気づかなかった!しかも全部良いイメージじゃなくて悪いイメージだったから、すごく感銘を受けた!!
  • 演技力も素晴らしいですね!!
  • 皆さんの3倍ほどの年齢です。最近、できなくなってきたことが増えたなあと感じています。でも今だからできることも見つかっています。このメッセージを伝えるのに考えられたプロットが素晴らしかったです。ありがとう。

SMANS(スマンズ)
「寄り添う心でつなぐ、
異文化の輪」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • 同級生の者です。異文化に対して距離をとるのではなく、この文化も面白い、興味深いと感じることの大切さがよくわかりました。
  • めっちゃいい曲だったし、手拍子をしている時、会場にいる皆と心が繋がった感じがした!
  • 歌を通して会場が一体になっていた。異文化共生は実現すると感じさせられた。
  • 生まれた国が違うだけで少し距離を感じてしまっていたけれど、言葉以外にも通じれることがあるんじゃないかと前向きになれた!!

Reformer5
(リフォーマーファイブ)
「今こそ見直そう出会いと対話」

来場者・視聴者からのメッセージ

  • アクティビティの内容もさることながら、ファシリテートもとっても上手でしたし、初めての人と対話できて良い体験でした!出会いと対話、大切にします。ありがとう。
  • 第1部の者です。僕らも未来の対話のあり方を模索し続けてきましたが、Reformer5のみなさんの提言をきいて、改めて人の出会いや対話が生み出すあったかい力、そのつながりを実感させられました。
  • 私たちをただのお客さんにせず巻き込んでくれたこと、そして新しい出会いの機会をくれたこと、嬉しく思いました。ありがとうございました。
  • Dialogue is the foundation of everything, no matter where you are in the world.(世界のどこにいようとも、すべての土台は対話にあります)
18:00 ~
EXPOホール
シャインハット

「三菱みらい育成財団
高校生MIRAI万博」
エンディング

 第1部・2部、すべての発表が終わり、講評に移りました。まずは第2部の代表チームを選ぶ際の審査員を務めていただいた(株)encyclo代表取締役の水田悠子氏から、「皆さんが説得や押し付けではなく、人々の感受性や心地よさにアプローチしている点にも深く感銘を受けました。大きな志は胸に秘めているだけでは実現せず、完璧でなくても、世界に向けてボールを投げることが重要。今日、皆さんが投げたメッセージが多くの人の心に届き、共感を生んでいると感じました」という感想を頂きました。
 続いて当財団理事の鈴木寛氏からは「人間は無力ではなく、微力なのであり、微力な一人ひとりの気持ちが寄り添い、出会い、対話し、一緒に歌を歌って、老若男女が繋がったとき、心が一つになったときにものすごいビッグウェーブになって革命が起きて世界が変わる。皆さんには今日このシャインハットから世界に発信してそのウェーブを届けていただいた。心のエンジンが駆動したとき、人間は無限の可能性を持つという、素晴らしいことを僕たちに教えていただいた高校生に心から御礼を申し上げたいと思います」と、会場の生徒たちに、携帯のライトを振りながらメッセージを送りました。
 そしてグランドフィナーレでは、第1部・2部の高校生たちが全員舞台に上がり、会場の拍手と歓声に、笑顔で応えました。

 シャインハットでの熱気をそのままに、ホテルに戻った高校生たちは懇親会で再び盛り上がりました。この1年間の努力を称え合いながら、交流を深める場となった懇親会は、イベント部が企画した催しが盛りだくさん。会場中央に設けられたステージでは、ゲームやじゃんけん大会が行われ、歓声や笑い声が絶えない会となりました。初めて言葉を交わす高校生同士も、自然とその熱気に引き込まれ、以前からの仲間のように打ち解けていきました。
 気づけば、あっという間の2時間。名残惜しさを感じつつも、そこに悲しさはなく、「三菱みらい育成財団 高校生MIRAI万博」で絆ができた仲間たちと「また会おう!」と笑顔で約束を交わしながら、懇親会は幕を閉じました。

COLUMN

「三菱みらい育成財団
高校生MIRAI万博」開催まで
全力で取り組んだ
高校生
157人の一年間の歩み

 助成先やアルムナイの皆さまに「三菱みらい育成財団 高校生MIRAI万博」をご案内したのは2024年1月のこと。オンライン説明会などを経て、5月からエントリーを開始しました。

 第1部には、2024年に全国74校・364チーム、約1万4000人もの方々からご応募をいただきました。1次審査を通過した100チームを対象に、2025年3月にはオンライン選考会を実施。そこで最優秀賞6チーム、優秀賞4チームを選出し、選ばれたチームの皆さんには万博に向けてプレゼン内容をさらに磨き上げていただきました。

 第2部では、全国から500人の高校生が応募。その中から選ばれた60人が、2024年8月に横浜・みなとみらいで行われた第1回目の合宿に参加しました。初対面ながらもすぐに打ち解け、12月の第2回合宿、そして2025年3月の第3回合宿を経て、万博で発信するテーマやメッセージを練り上げました。
 代表チーム選出の選考会では、代表3チームと特別賞1チームが選ばれ、歓声が上がる一方、惜しくも選ばれなかった高校生たちが涙を流す場面も。全力で取り組んできたからこそ、悔しさもひとしおでした。
 それでも「全員で万博に参加する!」と気持ちを切り替え、イベント部やプロモーション部に分かれて特設サイトを立ち上げたり、懇親会を企画したりと、それぞれが役割を担いながら当日まで準備を進めました。

 そして迎えた万博当日、高校生たちはこれまでの努力の成果を存分に発揮し、それぞれの想いを力強く発信しました。

2025年3月に実施した第1部のオンライン選考会の様子
第2部の選考会の様子。ずらりと並んだ審査員の方々を前に、臆することなく1年間の成果を発表した
TOPページに戻る