カテゴリー 12024年採択

静岡県立三島北高等学校

対象者数 574名 | 助成額 200万円

https://www.edu.pref.shizuoka.jp/mishimakita-h/home.nsf/IndexFormView?OpenView

Program三島北型生徒エージェンシーの育成とメタ認知
~WWLのレガシーの発展的継承~

 SGH事業(平成26年度指定)、WWL事業(令和元年度指定)を通じ、イノベーティブなグローバル人材を育成する課題探究カリキュラムを継続開発してきた。1年次で探究学習の基礎を身に付け、2年次では研究をビジネスプラン化することにより、課題解決のアプローチ自体への生徒自身のコミットメントを強化する。ソーシャルビジネスの文脈に沿った言語化を進めるとともに、商品やサービスのプロトタイプを試作してプランの精度を高めたり、訴求力のあるプレゼン力を磨く。ポスター発表の発表言語を英語にすることにより、主語や目的語をはっきりさせて研究をメタ認知するプロセスを踏み、かつ、グローバルに発信したり、課題探究の対象を拡大したりする力を伸長する。全校的な課題探究カリキュラムを推進する生徒を育てるために、学校設定科目においては、より高度なフィールドワークや研修を展開する。

  令和6年度は、これまでの取組に加え、文科省推奨の「思考ツール」を効果的に用いた教科指導について、指導リーダーとなる教員を中心に全教科で実践と研究を開始する。「思考ツール」を用いた、論理的な思考の整理・発展・共有のあり方に対する教員の理解と指導力向上を端緒とし、「総合的な探究の時間」での活用や展開についても研究を進める。

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活動レポートReport

10年の探究のノウハウとネットワークを県東部の高校と共有・還元

 静岡県立三島北高校は「総合的な探究の時間」の必履修化以前から、SGH事業、WWL事業を通じて、探究のカリキュラムを開発・実践してきた。これまでに築いてきた外部とのネットワークは、大学、NPO、地元企業など幅広い。また、充実した校内研修により、探究を担う担任や副担任の目線も揃い、生徒たちは各分野の専門的な指導を受けながら、探究に取り組んでいる。

 課題解決型探究とビジネスの視点を組み合わせ、生徒の批判的思考力と起業家精神を養っている。その特徴は、SDGsの17のゴールを五つに類型化し、生徒が興味・関心のある分野を選んでチームを組み、2年間、同じチームで探究を行う点にある。最終目標は、SDGs実現に向けたプロトタイプ(試作品)の制作や、それを世に送り出すビジネスプランを策定することだ。日本政策金融公庫の出前授業やコンテストを活用し「ソーシャルビジネス」の起業を見据えて取り組む。3学期にはプランを英語でポスター発表し、発信力やさらなる深掘りの契機としている。

 2年生のあるグループは、高齢者の詐欺被害を防止するためのカードゲームを考案。実際に警察署に赴き提案し、高い評価を得ることができた。「生徒たちは、どのチームも社会実装の一歩手前までの手応えを感じる経験をしている」と、中島由美教諭は語る。カリキュラムの充実期を迎え、生徒が主体的に学ぶ「エージェンシー」を発揮できるようになった今、同校はその蓄積したノウハウを他校に還元する取組を進めている。

 一つ目は、県東部の三島田方地区の教員を対象とした探究研修会の開催だ。勝間田浩文副校長は「生徒の活動や、教員、外部指導者の関わり方などを見学してもらい、探究のマインドを伝えられた」と、探究に悩む高校への支援ができたことに手応えを感じている。二つ目は、連携可能な団体や人材、地区内教員の強みなど、探究に役立つ情報を集めたデータベースの整備だ。学校間で共有し、地区内の教員が活用できるシステムにした。そして三つ目は、地区内10校の高校生を対象にした「探究リーダー養成塾」の開催だ。学校の垣根を越えて、探究に必要なスキルや経験を積む機会を提供し、各校で探究活動の中心となる生徒を育てている。自校のプログラムを継続するだけでなく、その成果を地域全体に広げることで、同校は地域の探究を活性化させる「触媒」としての役割を果たしている。

長尾康子(教育ライター)

3学期に行う「英語ポスターセッション」は、2年間同一チームで取り組んだ探究の集大成。近隣校から6人のALTを迎え、英語による質疑応答も経験した。

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