カテゴリー 12024年採択

大阪府立刀根山高等学校

対象者数 1,080名 | 助成額 150万円

https://toneyama.ed.jp/

Program『トネ究』 ~深める探究・進める探究・広げる探究~

 本校では「総合的な探究の時間」を「トネ究」と称して、3年間課題研究に取り組んでいる。

 1年次では、前半に情報収集に必要な手法を学び、後半に個別探究に取り組んでいる。2年次では、地域課題にグループで取り組んでいる。豊中市役所をはじめ、役所や企業、病院、学校、店舗などを訪問しインタビューをさせていただいている。探究のサイクルを各学年でできるように計画している。

 2022年度から学校行事として『TONE究Day』という発表会を実施している。これは、3年生全員が自らの課題研究について8分間のプレゼンテーションを行うものである。その後は、研究紀要を作成し一冊の書籍として残している。

 各学年ともそれぞれのテーマを身近でイメージの掴みやすいもの、学問分野からアプローチし自身の進路へとつなげるもの、興味関心から派生する問いに深くじっくり取り組むものとなるよう工夫している。

 また、本校では探究の授業を進めるにあたり、周囲の方の協力を得ることに注力して実施している。大きなものとしては大阪大学高大連携教育団体「SUIT」との連携がある。この団体は高校生の探究授業について研究しサポートすることを目的とした団体である。毎回の授業に入り込み、グループまたは個人のサポートをしていただいている。

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「まずは踏み出してみよう」新たな挑戦で探究を活性化

 刀根山高校の探究活動「TONE究」は、身近なテーマ→地域課題→将来の自己実現と学年ごとにテーマを変えていきながら、3年間を通じて①課題の設定、②情報の収集、③整理・分析、④まとめ・表現という四つのサイクルを回していく。探究部長の大西伸世先生は「探究の手順が身についていれば、将来大学や社会で応用できると考えています。そのため探究サイクルを体験できる機会を多く設けています」とその狙いを話す。

 さらに2025年度は財団の助成金を活用して様々な活動を取り入れた。問いを深める手助けとなる生成AIの導入、「教育と探求社」が提供する探究支援プログラムの実施、JICAや(株)マクロミルなど9団体の外部講師による「TONE究セミナー」の実施、また3年生全員が発表する「TONE究Day」では大阪公立大学教授に講評をお願いした。

「TONE究セミナー」は、9割以上の生徒が「満足」と回答。アンケートにも「文理選択は教科の得意不得意ではなく自分のやりたいことをしっかり考えて選択しないといけないと感じた」「この講演を忘れずに、世界中で誰かのために働く方々に敬意を払って、私も誰かのために行動できる人になろうと思う」などのコメントがあり、生徒たちが将来を考える上で大事な手がかりをつかんだことがうかがえる。

 生徒だけでなく、教員に対しても新たな研修を実施。7月には、大学の入試企画部長に「探究の学びと入試」について話していただき、10月の研修では改めて「TONE究」の目標や3年間の授業計画を伝え、併せて「問磨きのワークショップ」を実施するなど、学校全体で探究を推進する方針を確認する場とした。無津呂弘之校長は、「探究に対する教員の考えが様々ある中で、入試という観点から探究を見直してもらう貴重な機会になりました」と話す。また大西先生は、「TONE究Day」での大学教授の講評も刺激になったと振り返る。「生徒の伴走や声掛けに関するヒントがたくさんあり、非常に勉強になりました」。

 様々なトライアルを行ったことで、校内からは時間繰りが難しい、詰め込みすぎという意見もあった。しかし、AIの導入や外部講師によるセミナーでは新たな発見や学びもあった。「25年度の取組を検証・精査し、26年度に結び付けていきたい」と、無津呂校長は話す。生徒の探究活動同様、その枠組みづくりにおいても「まずは踏み出してみる」ことが可能性を広げてくれるはずだ。

9月に行われた3年生の発表会「TONE究Day」。午後は選抜された3名の発表を、3年生は体育館で、1・2年生は教室でオンライン視聴した。保護者や地域の方にも開放して行われた。

「TONE究Day」の午前中は、各教室で3年生全員が個人研究を発表した。1・2年生も自身の興味関心に応じて、発表を見学した

2年生は4人のグループで地域課題をテーマに探究活動を行う。学校内での調べ学習で終わらないように、外部でのフィールドワークを必須としているという。「発表当日は市役所の方もいらして、生徒が調べきれなかった点についてアドバイスを頂き、貴重な機会になりました」と大西先生は話す

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