Program木造(きづくり)・人づくり・地域づくり
~「MAP(Mokko Asumiru Project)」~
校訓「誠実 勤勉 親切」のもと、何事にも真摯な態度で取り組み、自らの将来を創造的に切り拓く力、自主的に知力、判断力を高め、社会の変化に対応し逞しく生きる力、多様な人々との協働を通して、人を思いやる豊かな心を育むことを教育目標とする。
本プログラムでは「未来探究」という本校のキャリア教育の目標を達成するために「産業社会と人間」「総合的な探究の時間」を充実させ、「思考力」「表現力」「協働力」を育成する。
1年次では、自分を知る・社会を知る・職業を知る。マインドマップ、夢プランを作成することで自分の考えを整理し「なりたい自分」を探す。
2・3年次では、5つのプロジェクト(木造・人づくり・地域づくり・産業支援・環境保全)に分かれ、年次の枠を超えてグループ活動をする。自分で設定した探究活動に仮説を立て、検証し、その解決策を探る。
3年間通して地域や県内大学と連携を図りながらフィールドワークを行い、地域住民や企業と交流することで、生徒自身の居住地およびその周辺の地域の魅力や課題を知り、課題解決のために何ができるのか考えるプログラムである。

活動レポートReport
地域のニーズに根強く応えて細やかな連携生かす多彩な探究
高校が存在する自治体のうち、実はその約半数は高校が1校のみと言われる。青森県つがる市と、木造高校もその一つだ。
特に地方の「地域唯一校」の場合、地域の教育インフラとしての役割も強くなる。こうした背景もふまえ同校では、2003年に総合学科へと改編。学習内容から卒業後の進路まで、地域生徒の多様な学びのニーズに応えてきた。そうした姿勢が評価されてか、地域の期待も強い。地元の大型ショッピングセンターには、同校の活動を紹介するブース「木高(もっこう)Labo」まで常設されているほどである。
そんな同校が、総合学科であることを生かして以前から注力してきたのが、探究学習とその舞台としての地域連携だ。1年次では「自分を知る・社会を知る・職業を知る」をテーマに、地域のインターンシップやボランティアに繰り出し、地域課題と進路について考えることからスタートする。2・3年次は、そこで得た興味・関心をベースにしながら、より実践的な探究を回す計画だ。地域文化の理解や地域の魅力発信に取り組む「木造・地域づくり」、地域教育をテーマにした「人づくり」、地元産業の問題解決を探る「産業支援」、地域の持続可能な暮らしを考える「環境保全」で構成されている。
また、2026年度からは3年次の探究を独立させ、「アカデミック」「コミュニティ」「ヒューマン」「ソーシャル」の4ジャンルを設定し、ゼミ形式で進行する形に改良した。個人の希望進路(大学の学部や、就職を希望する業界)に沿ったテーマ設定をしやすくし、探究での経験をそのまま進路開拓につなげるねらいがある。
このゼミにも見られるように、生徒個々の希望にできるだけ細かく応えようとしているのが同校の魅力だ。地域での連携先も、行政や企業を中心に、地元スーパー、警察や消防、児童館、小中学校、地域おこし協力隊など、草の根のネットワークが広がっている。助成プログラムに申請したのも、生徒がやりたいことを、予算を理由に制限させたくない一心からだった。
同校の米持亮先生はこう展望を語る。「生徒の地域愛を育むとともに、もっと学校の門戸を開いて、地域の協力も巻き込みたい。地域の大人たちが自由に出入りしているような、そんな学校になるのが目標だ」。探究に対する生徒アンケートでも「地域の魅力を再発見できた」「地域に貢献したい」という声が8割を超えたという。
松見敬彦(教育ライター)
「馬ねぶた」を引いて町を練り歩く地元の伝統的奇祭、「馬市まつり」の常連でもある同校。2025年は生徒全員で参加し、馬ねぶた大賞も受賞した。探究活動のテーマで「馬市まつり」を盛り上げようとしているチームもある。