Program未来戦略課・Nichinan Project 2.0
生徒の主体的な探究活動を中心として、普通科「未来戦略課」では地域社会の課題に対する解決策を考案し、探究科学コース「Nichinan Project」では多様な学術分野をテーマに研究を進め、生徒の思考力・判断力・表現力を育成している。
本プログラムでは、これまでの取組みをアップデートし、地域の新聞を活用した情報収集、自治体や地元人材との連携の強化、さらに、県外でのフィールドワー、大学との共同研究、専門家によるプレゼンテーション研修など、より多角的な学習機会を提供していく。そして、市長や自治体職員への提案だけでなく、新たに成果を一般公開、その成果を広く地域に還元することで、実社会との接点を強化していく。
これまでの実績を基盤に、地域課題の発見から提案までのプロセスを体系化し、より実効性の高い探究活動を目指す。そして生徒が自らの課題意識を育み、社会に向けて発信する力を養うこのプログラムは、次世代の地域リーダー育成に大きく寄与することが期待できる。また、地元企業や大学、行政機関とのより緊密な連携を図ることで、学術的知見と実践的な学びを融合させ、地域活性化にも貢献することが見込まれる。

活動レポートReport
生徒の発信力向上に向け校外連携と発表の場を広げる
日南高校の探究活動は、地域課題の解決を目指す普通科3クラスの「未来戦略課」と、普通科探究科学コースの「NichinanProject」の二つで展開されている。未来戦略課では、1年生は日南市役所やNPO法人から市の現状や課題について学んだ後は自分たちの関心に基づいてグループを作って、フィールドワークやインタビューを通じて課題解決策を探る。3月には校外関係者も交えた中間発表を行い、その場で得られたアドバイス等を踏まえ、2年生で研究をさらに深化、市長へのプレゼンや外部コンテストへの出場を目指す。一方、多様な学術分野をテーマに研究に取り組む「NichinanProject」では、1年生の9月までは未来戦略課とほぼ同じペースで活動を進めつつ、地元の研究機関や大学教授による特別授業を受ける機会が設けられている。生徒たちは2年間を通じてテーマを深掘りし、11月の校内発表を経て成果をまとめる。
2025年度はバージョン2.0として、新聞を活用した取組を新たに開始。「地元新聞を各クラスに置いて、日ごろから地域の出来事や課題に触れられるようにし、地域課題の解決に向け、信頼あるソースから情報を得る習慣につなげたい」と池田輝彦先生は話す。また「みやざきSDGs教育コンソーシアム」が開催するフォーラムの英語部門の発表に生徒が参加したのも、今年度が初めての挑戦。「生徒たちは最初は不安があったが、ALT(外国語指導助手)のサポートや生成AIなども活用し、準備を進めていた。当日は自分たちの思いをしっかり発信し、大きな自信につながったことが見て取れたので、来年度からは探究科学コースの生徒は全員英語部門に参加できるよう、体制を整えていきたい」と、池田先生は意気込みを話す。
県内の高校や機関と連携した発表の場も年々増えてきており、「校外との交流は生徒たちに刺激を与え、探究活動が活性化するという手応えは、私だけでなく、教員も持っており、自ら校外との交流の場を設定しようとする教員の意識が高まっているのを感じます」と長友教行教頭は話す。「11月の校内発表では、市長に向けて地域課題案のプレゼンをする班を選考しますが、選考された班以外の発表も広く市民に知ってほしいと思い、市役所や図書館などで発表できるよう関係者と調整中です」(池田先生)。地域や外部機関との連携を強化しながら、探究活動を着実にバージョンアップさせている。
地域の課題の解決に向けて調査や研究してきた成果を、市役所職員等に発表