カテゴリー 12022年採択

京都府立向陽高等学校

対象者数 400名 | 助成額 100.2万円

http://www.kyoto-be.ne.jp/kouyou-hs

Program「Third Place, MUKO プログラム ~竹の都・向日市を第三の場所に~」

 「竹の都・向日市を家庭・学校や職場に続く第三の居場所に」をコンセプトに、本校の「総合的な探究の時間」において、向日市のブランド化を学ぶプログラムを実施する。国際観光都市・京都の存在が大き過ぎるため、観光客から注目されにくい向日市をフィールドに、潜在的な魅力を高校生の目線で再発見し、新たなコンテンツとして全国に発信する。

 令和3年度に実施した総合的な探究の時間において、向日市および京都外国語大学と連携し、地域活性化に向けた具体的な取り組みについて、フィールドワークや班別学習、テーマ選定、ポスター発表等、政策提案に取り組んできた。これをベースに令和4年度は、生徒自身が向日市をより一層魅力ある街にするために何ができるかを考え、それを具体的に実現していく探究活動へと深化させる。

 この活動を通して、地域社会や地元企業、実際の専門家とつながり、現実社会の中で「自分にとって意味があり」「友達や先生、学校にとって意味があり」「学校の外の世界にとって意味のある」学びを重ね、教職員全体で作成した「向陽高校生につけたい力」(①企画力・提案力②自らやり抜く力③他者とつながる力)を育成する。

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若者の「気づき」を伸ばし誇れる街をつくる

「第三の場所」とは、個人が尊重され、自由な交流が生まれる心地よい「居場所」を意味する。向陽高校では、地元・向日市の魅力を再発見し、若者の新鮮な発想でより親しみ深い居場所に変えていくプログラムに取り組み、生徒自身が誇りを感じ、地域住民が「住んで良かった」と喜ぶ街づくりへの参画を通じて、他者と自律的に交流できる人間力の育成を目指している。

 プログラムは、フィールドワークを通じて街の長所や課題を発掘する「地域研究」と、より魅力ある街づくりに向けた具体的施策を提案する「地域貢献」で構成。他者とつながり、地域のために何ができるか考え、自らやり抜くことを重視している。

「生徒が発見するのは、大人が後回しにしがちな街の課題。暮らしに根差した率直な意見に、日々感心させられます」と、探究学習を担当する山中朋彦先生は語る。例えば、舗装が十分でない道路や、街灯が不足して夜道が不安な地域を調査し、安心・安全な街づくりを目指す施策。また地域の特色を生かした憩いの場をつくり出す施策など、自治体や地域産業、大学等の協力を得ながら、さまざまなテーマで研究を繰り広げている。

 なかでも、特産品の竹を活用した観光施策は、持続可能な活動に結実しそうだ。向日市は竹林で名高く、古墳や寺社仏閣の史跡に風雅な彩りを添えている。同校は2022年10月、3年ぶりに現地開催されたライトアップイベント「竹の径・かぐやの夕べ」に参加。地元企業から招いた職人の指導のもと、竹細工の行あん燈どん200個を手作りして会場へと続く誘導路に設置したほか、当日の運営サポートも担当した。竹林に浮かぶ灯に目を輝かせる来場者を目の当たりにした生徒は、「次回も参加したい」「SNSを活用してもっとPRしたい」と意欲的で、この体験をもとに、竹を使った商品開発や観光アプリの作製、市と連携した広報の企画など、より具体的なアクションの計画もあがっている。

 ほかにも、小学校との交流授業に挑戦するなど「若者同士でつながる」活動も芽吹いている。山中先生は、家庭や学校とは違う“外の世界”との接点をもっと提供したいと話す。「生徒の心に化学反応を起こすことが教員の使命。将来を自力で切り拓ひらいていく強さを学んでもらいたいのです」。若者が自律的につながり合い、地域を活性化させていく。彼らの成長そのものが、街の希望となるはずだ。

3年ぶりの現地開催となった「かぐやの夕べ」。例年の数倍の来場者数を記録した。生徒たちは、手作りの行燈を並べたり、撮影した写真を市に提供するなど、主体的に参加した。

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