カテゴリー 12022年採択

福岡県立ひびき高等学校

対象者数 700名 | 助成額 200万円

http://hibiki.fku.ed.jp/

Program『考エル 自分をカエル 未来をカエル』(カエルプロジェクト)
~探究的な学びを通したグローカル人材の育成~

 生徒それぞれの能力と特性に応じ、学ぶ意欲を理解させ、「自ら考える力」「他者と対話する力」「共感する力」を身に付けさせることを目的としている。予測困難な未来を生き抜くための力や、将来にわたって学び続ける意思を備えた生徒を育成することが本校のスクールミッションであり、本プログラムもそうした人材を育成する取り組みの一つである。

 SDGsの推進と探究的な学びの推進の二つの柱で、具体的な活動を実践していく。定時制単位制高校の特色を生かし、例えば学校設定科目「フットパス研究」における北九州市立大学や行政機関と協働で行う地域活動、「環境センシング」における北九州市の環境課題に向き合う学びの実践など、多様な学びを展開する。また「総合的な探究の時間」では、「総探Ⅰ」自ら問いを立て・考える、「総探Ⅱ」SDGsの視点に立った協働学習、「総探Ⅲ」自分の在り方・生き方を考える課題研究、と段階的に学ぶことで探究学習を深める。

 また、講演会や生徒対象の研修旅行、出前授業などを企画し、生徒の将来につながる経験や心を開く体験を通して自己肯定感を高め、自分の人生を見つめ直す機会を提供する。以上の学習活動を通して学びがつながり、地域とつながり、将来地域で活躍するグローカル人材の育成につながることを期待する。

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活動レポートReport

2年の準備期間をかけて校内の推進体制を整備

 北九州地区唯一の単位制三部制高校であるひびき高校の探究活動名は、「考エル 自分をカエル 未来をカエル」、通称カエルプロジェクトだ。「小中高時代に不登校だったり、家庭環境が複雑な生徒たちもおり、コミュニケーション能力や協調性に課題がある生徒もいます」と、探究活動を担う杉本雅代先生は話す。そうした生徒たちを「カエル(変える)」という意味をこめた探究活動は、四つに分かれている。

「総探(総合的な探究の時間)Ⅰ」では思考力・読解力の育成、「総探Ⅱ」はSDGsのテーマで協働的な探究活動を実施、情報分析力・コミュニケーション力の育成を目指す。「総探Ⅲ」は、Ⅰ・Ⅱで得たスキルを用いて自分の未来につながるテーマの課題研究を行い、実践力・自己決定力を身に付けていく。「総探S」は選択科目で、大学入試に対応した「論理コミュニケーション」と「グループディスカッション」を実践的に学び、論理的・批判的思考力の習得を目的としている。

 これらの探究活動の内容・テキストは、カエルプロジェクトと探究課のメンバーが意見を出し合い2年間かけて作り上げてきたが、「一番苦労したのは先生方の目線合わせです。生徒が変わる姿を見て先生方も全面的に指導にあたってくれました」と杉本先生は振り返る。コミュニケーションが苦手な生徒がいる中で、生徒同士や校外との協働作業を取り入れるのか。自分たちで本当に探究活動を担当できるのか。先生たちの不安は尽きず、何度も話し合い、「生徒たちにどういう力を付けてもらいたいのか」というコンセンサスを得るのに1年かかった。並行して、「探究とは何か」の講義、「本校の目指す生徒像とは」などテーマを設定した協議など、年に2回、職員研修を終日かけて行い、今年度本格スタートを切った。前期を終えてみて、生徒たちの主体的に学ぶ姿が見られ、年度初めは「自信がない」と言っていた先生方も手ごたえを感じてもらえたのではないかと杉本先生は話す。「私自身も担当の社会科の授業で、対話的な場面が増えてきました。自分たちの教科授業に探究要素を応用できるようになってくるのはこれからかなと思います」。

 自分の好きなテーマを突き詰めて深まった成果発表をする生徒が出てきたり、つながりができた区役所・図書館・大学・地域などからさらなる連携のアプローチも増えてきた。2年をかけて準備してきた同校の成果が、校内外で形になり始めている。

北九州市立大学地域創生学群の先生と学生、戸畑区役所の総務企画課と共に、地域の活性化に向けてどのようなアクションができるのかを話し合った生徒たち。

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