カテゴリー 12022年採択

鹿児島県立屋久島高等学校

対象者数 150名 | 助成額 168万円

http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/yakushima/

Program探究活動を主体とした「屋久高(YAKKO)プロジェクト」
~地域愛を育み、自己肯定感を高める取組~

 屋久島高校普通科に環境コースというコースがある。このコースは本来屋久島の魅力を一番把握しているはずが、そうではない状況にあった。そこで、コースがつくられた当初の目的や変遷を残されていた資料を基に明らかにし、コースの教育課程を編成し直した。また、このことを普通科全体や情報ビジネス科に波及させるため、総合的な探究の時間の見直しや、情報ビジネス科の課題研究との連携を模索した。

 令和3年度は地域との結び付きを深めるため、高校魅力化コーディネーターを配置し、地域や島外の学校との連携を図った。この取り組みを令和4年度以降も持続しながら、事業を深めていきたい。

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活動レポートReport

島内外の人との関わりを通じて、屋久島の魅力を改めて学ぶ

 屋久島は島全体の約2割が世界自然遺産に登録されている自然豊かな島。島内唯一の公立高校である屋久島高等学校では、全国でも珍しい「環境コース」を設け、地域の自然や文化に根差した研修や体験を通じて、目指すべき環境の在り方を学んできた。「島で生まれ育った生徒たちにとっては、あまりに身近すぎるせいか、この自然の価値が実感しづらい面がありました。そこで、3年前からカリキュラム・マネジメントを推進する一方、環境コースの取組を全校的にするため、総合的な探究の時間『黒潮キャンパス』や、情報ビジネス科の『課題研究』との連携を模索してきました」と、「屋久高(YAKKO)プロジェクト」のチーフを務める斉藤武先生は語る。

 2021度の課題研究では、生徒の発案による「環境フェスタ」を開催。環境コースと連携した発表会や、廃材を利用した遊具による体験コーナーに加え、島内の企業と共に開発した商品の物販コーナーも賑わいを見せた。茶殻を活用したお菓子や魚の頭や骨のチップスなど、食品廃材の削減につながる商品は、「島の新たな名産品になる」と、島民の期待を集めている。

 「こうした活動の支えとなったのが、魅力化コーディネーターとしてお招きした『イマジン屋久島』のメンバーです。屋久島の魅力発信を目的とした有志によるコミュニティで、彼らが島内各地で築いてきたネットワークを活用することで、生徒たちと島民の皆さんとの交流を深めることができ、島の魅力や課題、さらには島内の最高学府である本校に寄せられる期待の高さを実感する機会となりました」(斉藤先生)。

 また、同様の活動を行う各地の大学との連携に加え、都内で開催される「エコフェスタ」での発表など、島外への情報発信も積極化している。「自然豊かな屋久島の魅力を広く全国に伝えると同時に、生徒たちにとっても、島外からの評価によって屋久島の価値を再認識でき、地域愛や自己肯定感を高めることにつながっています。実際、この活動を通じて、卒業後も島に残って島のために取り組みたいという生徒が増えています」と斉藤先生は満足げに語る。

 地域の将来を担う高校生が郷土の魅力を学び、若い感性と行動力を生かして、その価値をさらに高め、発信していく。こうしたサイクルが、屋久島の持続可能な地域づくりにつながるのはもちろん、過疎化に悩む多くの地域にとって格好のモデルケースとなることが期待される。

2022年11月に学内の体育館で開催された「環境フェスタ」には、SNSでの発信や町報での告知の効果もあり、約200名の住民が来場。環境問題やSDGsについて地域全体で考える機会となった。

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