カテゴリー 12022年採択

鹿児島県立福山高等学校

対象者数 200名 | 助成額 200万円

http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/fukuyama/

Program現代版郷中教育による未来の人材育成プロジェクト
〜地域で活躍できるクリエーター・イノベーターの育成をめざして〜

 本教育プログラムは、鹿児島県における伝統的な特色ある教育活動である「郷中教育」を現代版にアレンジし、本校所在地(霧島市福山地区)の抱える中山間地域特有の課題を発見・解決できるクリエーターやイノベーターを育てていくものである。

 また、このプログラムは学校内の活動にとどまらず、外部の産業界や行政などとコンソーシアムチームを編成し、それぞれのリソースを最大限に発揮できるよう連携をした地域協働型であり、地域の未来に人材を還元する役割を果たすものである。

 さらには、地域の産業界や住民に対しても意識啓発の効果を生み出す教育プログラムとして、地域の未来を創り、その人材育成に大きな役割を果たしている。

 校内では教育課程を学科・学年を飛び越えた横断的なカリキュラムにすると同時に、大学や産業界も学習に交わることで、異年齢集団による知識の相互補完機能を持つ学習形態になっており、より実社会の状況を反映しやすく、かつ実社会に近い学びをPBL型で実践できることが特徴となっている。

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活動レポートReport

持続可能な「実学」を通じて地域課題を解決できる人材に

 中山間地域に位置することから、急速な人口減が進む鹿児島県霧島市福山地区。福山高校も統廃合の危機に直面したが、地域住民の強い意志のもと、今は産官学を挙げての支援体制が取られている。こうした地域の期待に応えるべく、同校では「総合的な探究の時間」を利用して「福山みらい創業塾」を展開。薩摩藩伝統の「郷中(ごじゅう)教育」を現代風にアレンジし、地元企業や行政などとコンソーシアムを編成している。

 「地域の先導者、すなわち地域課題を発見・解決できる人材を輩出することをミッションとし、そのために必要な『郷土を愛する想い』『自ら挑戦する精神』『5つのリテラシー(コミュニケーション、ロジカルシンキング、シミュレーション、ロールプレイ、プレゼンテーション)』の育成を目指しています」と本プログラムを推進する折田真一先生は語る。

 「創業」という名称にしたのは、学習の成果を実社会で通用するビジネスに育てるため。教育現場では「金儲け」が敬遠される風潮があるが、「この取組を持続可能にするため、また真に地域課題を解決していくには、利益を生む仕組みが必要。そこで、生徒たちには『お金は感謝の対価としていただくもの。どうすれば感謝されるかを考えることが、地域の課題解決につながっていく』と説明しています」(折田先生)。

 こうした理念のもと、三現主義(現場・現物・現実)に基づく「実学」を目指している。その一つが、霧島市に本社を置くトヨタ車体研究所との協働だ。トヨタが世界に誇る課題発見・解決の手法を地域課題にも応用すべく、同社社員による職員生徒へのレクチャーを実施している。

 また、地域のプロバイダ企業であるシナプス社の支援を受けてオンライン環境を整備することで、地理的な課題を解消し、未知の世界への門戸を開いた。他校との連携や外部有識者との交流が可能になり、中でも生徒たちに刺激を与えているのが、探究活動のメンターとして参加する慶應義塾大学の学生の存在だ。年齢も近く、活動範囲の広い大学生との対話は、地元を出る機会の少ない同校生徒たちの視野を大きく広げる機会となっている。

 先生の異動があっても、活動が維持できるよう、昨年度にはコンソーシアムを社団法人化した。探究活動には金銭面・持続性といった課題が常に立ちはだかる。それをどう克服していくのか。同校が一つのモデルケースとなるのか注目していきたい。

地域特産品を活かした地域起こしの一環として、霧島市福山町の農家が復活させた幻のサツマイモ「蔓無源氏(ツルナシゲンジ)」のスイーツ化を提案。生徒たちが商品企画からマーケティング、販促活動までを担い、地元カフェとの連携による商品化を実現した。

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