カテゴリー 12023年採択

北海道ニセコ高等学校

対象者数 72名 | 助成額 100万円

https://niseko-highschool.jp/

Program「シビックプライドを持ったグローバル人材の育成」
~ニセコと世界の境界線を溶かしていこう~

「シビックプライドを持ったグローバル人材の育成」に向けて、「ニセコ町の課題と世界の課題の共通点」を探究のテーマとし、ニセコ町と世界が繋がっていることを認識しながら主体的に学び、課題を俯瞰的に捉えて解決する。その上で、自分の考えを発信し行動する力を養う。また、他地域の人々と繋がることにより、生徒のコミュニケーション力やコーディネート力を向上させ、異なる価値観を持つ人々との相互理解を深める。

 1学年では、ニセコ町について関心を深めるとともに諸外国の事情やニセコ町と世界の関係などについて学び、シビックプライドと国際教養を高める。2学年では、地域の方や連携大学の学生と協働して、地域協創について主体的に考える姿勢を身につける。3学年では、持続可能な農業や観光について国際基準を意識して探究することで、シビックプライドを高揚しグローバルマインドを高める。また、学んだことを主体的に発表するアウトバウンドプログラムを行い、学びの成果を学校全体や地域全体に還元する。

 教育プログラムは学校全体で取り組み、教員も生徒と共に学び成長することを目指す。また、ニセコ町や地域の方と協働して推進することにより、「地域とともにある学校」として高校と地域が一体となって生徒を育てる。

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農業高からの転換に向け地域を創るみらい人育成

 パウダースノーを求めて世界中からスキーヤーが集まる後志管内ニセコ町は、まちづくりの先進地としても知られる。持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)を目指し、国際NPOグリーン・ディスティネーションズ(本部オランダ)のシルバーアワードを受賞した他、国連世界観光機関(UNWTO、本部スペイン)の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ(BTV)」にも日本では京都府南丹市美山町と共に選ばれた。

 ニセコ高校は1948(昭和23)年、倶知安農業高校(道立)の狩太分校として開校以来、一貫して町立の農業高校だ。90年前後から観光にかじを切り、学科も「緑地観光科」に転換。町と連携し、国際的な環境を生かした教育活動を実践してきた。小規模ながら2年次から「アグリフードコース」と「グローバル観光コース」に分かれる、修業年限3年(希望者は4年制選択も可)の昼間定時制高校となっている。

 より地域のニーズに合わせるため、26年度から進学型総合学科に転換を予定して英語教育力も強化。全国だけでなく海外からも生徒を募集し、グローバルな町をフィールドとした国際教育を特色とする新しい学校に生まれ変わることにした。23年度から先行して学校改革に着手。育てたい生徒像に「シビックプライドを持ったグローバル人材」を掲げた。シビックプライドとは、当事者意識を持って都市に関わる市民の誇りを意味する概念だ。

 1年次ではシビックプライドの醸成を目指してグローバル人材育成講話(年4回)を実施し、2年次で大学などと連携して「サステナブルスタディーツアー」を企画、商品化して地域協創によるホスピタリティーマインドを醸成。3年次では、町の持続可能な観光を学んでグローバルマインドを醸成する。地域課題・活性化への取り組みを通して▽好奇心▽思考力▽判断力▽協創力▽受容力▽発信力▽挑戦力―の育成を目指す。「この町をどうにかしたい、という情操が大事です」と中谷知記教諭は話す。

 本谷一校長は45歳まで道立高校や道教委に勤めた後、先進的な改革に引かれて京都市立高校に転身。堀川高校教諭を手始めに、三菱みらい育成財団の第1期指定校(20~22年度、23年度に再指定)である日吉ヶ丘高校の校長を定年まで1年残して23年度にニセコ高校に赴任した。普通なら3年かかる改革を半年で進めたといい、「ニセコスタイルの教育でまちづくりに貢献したい」と意気込んでいる。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

持続的な観光教育をテーマとした中谷教諭の授業。テンポよいやり取りで「住んでよし訪れてよし働いてよし」「環境よし経済よし文化よし」のアイデアを考えさせた。受講した3年生も「研修で意識が変わった」ことを振り返っていた。

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