カテゴリー 12023年採択

福井県立勝山高等学校

対象者数 327名 | 助成額 200万円

https://www.fki-katsuyama-h.ed.jp/

Program中高接続による地域に根ざした持続可能な
「勝山型新教育プログラム K-program」の構築
~社会に出て輝き続ける人材の育成~

 現在、勝山市、市内の民間企業に加え、県内大学との協力体制により、2022年に開設された探究特進科を中心として普通科を巻き込んだ全校体制で探究学習活動を行っている。この体制を継続しさらに発展させるために、探究学習の時間をスケールアップし、探究学習の時間以外での活動を充実させる。さらにこの探究学習を、教科学習や教科の授業を含んだ校内のすべてのカリキュラムに波及させ、「学びの質の転換」を図り、主体的・協働的な学びを行う学習コミュニティを実現する。

 また本校を母体として、市内中学校と外部支援団体がつながる体制を構築し、本校生徒が探究学習によって経験する「シンカ(深化、進化、新化、伸化)」を中学校にも波及させる。令和9年勝山市内3中学校が統合のうえ本校敷地内に併設される機会に向けて中学校との連携を深め、「生徒の主体的・協働的な学び」につながる探究学習支援を地域社会を巻き込んで行うことにより、「学びの一大コミュニティの創造」を目指す。特に、幅の広い進路を選択する多様な生徒が多い地域の学校において、社会に出てさらに輝ける資質・能力を身に付けられる6カ年の連携探究学習プログラム(持続可能なプログラムK-program)を開発する。

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活動レポートReport

中高を接続する探究プログラムを開発

 2022(令和4)年に「探究科」を設置し、普通科も巻き込んだ全校体制で探究学習活動「K-program」を展開する同校。27(令和9)年には市内3中学校が統合して高校敷地内に併設されることが決まっており、併設された市立中学校との連携を深めた主体的・協働的な学びにつながる実践を目指している。

 幅の広い進路を選択する多様な生徒が多い地域であることから、生徒には探究を通して将来、社会人として輝き続けることができる基礎を身に付けてほしいと考える。その土台として23年度は、生徒が個人探究を進めやすいような支援体制の構築、中学校との連携のためのワーキンググループ立ち上げに着手した。

 個人探究は、校外のさまざまな人との出会いでテーマや内容が深まっていく。自分の探究のテーマや構想を、外部人材を交えて共有する「ラウンドテーブル」を開催。ほかにも、県立大学の教授らによる「リレー講座」、市内のさまざまな企業から社会人を招く「キャリア探究ガイダンス」のように多様な形態で生徒の視野を広げている。対面形式ではなくオンラインも活用し、助言がもらえるように工夫した。同窓会「東京勝高会」の協力も全面的に得るなど探究を支援する体制が強化できた。

 23年度は、地元を代表する「恐竜」をモチーフにしたスカーフを、地元の繊維産業とコラボして開発する生徒、新規に建設される新たな中学校の設計アイデアを練る生徒、医薬品による健康被害を防ぐためのマイナンバー活用をテーマに調査を続ける生徒など、ユニークなテーマもみられる。「個人探究は、各生徒が自分の言葉に責任を持たねばならない一方、さまざまな人からアドバイスをもらえる充実感がある。23年度は他校の生徒や外部人材と交流を深めつつ、探究に生かす道筋ができた」と、朝倉剛司校長は語る。

 中学校との連携は、情報交換や授業見学が始まっている。総合的な探究の時間の総まとめとして、23年7月に開催した「学びの祭典」では、中学生もオンラインで発表を見学するなど生徒同士の交流にもチャレンジした。今後も相互の授業見学や情報共有を活発にし、勝山高校の探究で育てたい生徒の姿を伝えていきたいという。24年度には、市内3中学校の統合と、高校との接続の視点を加えた6年間の探究プログラムの開発を進めていく予定だ。

長尾康子(教育ジャーナリスト)

探究の状況を披露し、アドバイスをもらう「探究ラウンドテーブル」。

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