カテゴリー 12023年採択

静岡県立榛原高等学校

対象者数 553名 | 助成額 200万円

http://www.edu.pref.shizuoka.jp/haibara-h/home.nsf/

ProgramHAFプロジェクト(HAIBARA ACHIEVING FUTURES PROJECT)
~地域と世界を結ぶ有為な人材育成~

 本校は、文部科学省による「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)」を令和元年度から3年間、静岡県事業「オンリーワン・ハイスクール(グローカル・ハイスクール)」の指定を令和3年度から受け、この関係事業を「HAFプロジェクト」と名付けて、さまざまな事業を実施している。普通科全員の生徒が対象の学校設定教科「地域創造探究」の設置、普通科・理数科の希望者を対象とした地域連携事業、イングリッシュキャンプや海外(国内)研修などにより、確かな学力を伸長するとともに、世界と地域に目を向けて探究し、積極的に社会参画しようとする態度を育成するためのプログラムを行っている。

 3年間で、牧之原市等のまち、地域関係機関や県内外・海外の企業、団体、高校、大学など多くの人々と連携し、協働することを通して身に付けた協働力、表現力、科学的思考力などの資質・能力は、生徒の進路実現につながるとともに、将来グローカルに活躍できる人材の育成に効果がある。生徒本人にとってはもちろんのこと、地域社会に与える影響も大きいと考えている。

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活動レポートReport

9年目に入ったグローカル型教育をパワーアップ

 地域連携による教育活動を2015年に開始した県立榛原高校。当初は一部の生徒を対象にしたものだったが、2019年度から、文部科学省による「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)」の指定、続いて県事業「オンリーワン・ハイスクール」の指定を受け、普通科と理数科の全校生徒を対象にしたプログラム「HAF プロジェクト(HAIBARAACHIEVING FUTURES PROJECT)」を開発してきた。

 現在は、普通科の学校設定教科「地域創造探究」、普通科と理数科の希望者を対象とした地域連携事業や国内外への研修事業をとおして、積極的に社会参画しようとする生徒を育成している。

「地域創造探究」では、1年次に牧之原市の課題などについて行政や地元企業の協力を得てグループ探究を行う。2年次には自分の興味・関心に基づいて個人で探究活動をする。3年次ではこれまでの学びを生かし、自己の生き方について考えていく。理数科は専門科目「理数探究」に取り組む。

 昨年度は、生徒が探究しやすいよう環境基盤の整備に力を入れた。新聞や雑誌などを横断検索できるデータベースを導入したり、余裕教室にホワイトボードなどを設置してグループ活動をしやすくした。

 卒業生アンケート調査も現在進行中だ。地域連携活動で、卒業生が在学中にどのような経験をし、それがどのような力につながったのか。生の声を把握し、今の探究に生かしたいと考えている。卒業生を高校に招き、生徒たちのアドバイザー役としての役割も期待したいという。新型コロナ禍で中断していた希望制の海外研修も復活させていきたい考えだ。

 約8年間の地域連携や探究の実践の蓄積で「調べて終わり、ではなく具体的な行動に移し、形にすることが徐々にできるようになってきた」と山本純子教諭は振り返る。その先頭を行くのが部活動として探究をする「グローカル部」だ。酒造メーカーと協力して地域のいちごを使った炭酸飲料を開発したり、小学生でも学べる防災ボードゲームを考案したりと、地域課題解決のお手本となっている。「行政や地域の方たちに声をかけていただき、アイデアや企画を出すチャンスも増えてきた。スクール・ミッションに掲げるとおり地域に愛され、地域と生き、貢献できる学校となることが本校の使命。実現できるよう様々な形で取り組んでいきたい」(山本教諭)。

長尾康子(教育ジャーナリスト)

「地域創造探究」では外部のコーディネーターを活用。生徒の相談に正面から向き合ってくれる。

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