カテゴリー 12023年採択

鹿児島県立徳之島高等学校

対象者数 245名 | 助成額 200万円

http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/tokunoshima/

Program徳之島「共育」プロジェクト

 徳之島の高校(本校、樟南第二高校)、地域(徳之島内三町、企業等、幼小中学校、特別支援学校)、島外の大学等を交え、協働して行う地域連携型プログラムである。人口減を初めとする徳之島が抱えるさまざまな課題を明らかにし、島の未来を切り拓くために必要な諸能力を育むためのカリキュラムを構築し、探究的な学びを通して、生徒が徳之島の将来を担う人材となれるように育成する。

 2年次には「徳高ラボ」として班別に課題研究を行い、生徒探究活動発表会でその成果を発表することがプログラムの中核である。地域と協働してフィールドワーク・実験等を行う他、生徒を島外に派遣し、他地域との交流を行う。生徒探究発表会では樟南第二高校、大島養護学校徳之島支援教室の生徒と共に探究の成果を発表する。これにより徳之島の将来を担う人材育成の目的を高校・地域間で共有している。

 離島の高校だからこそ、探究活動により各班が考案したものづくりや活動等を実行した際の地域社会における反響が明確に表れやすい。そして生徒探究発表会でその検証結果を毎年発表して地域や全国の研究機関に還元することができ、学校と地域・関係機関との連携体制を持続的に発展させることができる。

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活動レポートReport

島の魅力を「再発見」してもらうための工夫とは

 地域と協働し、新しい徳之島の魅力を再発見することで、島の将来を担う人材育成に取り組んでいる徳之島高校。2024年1月に行われた2年生の校内探究発表会では、「ウミウシの飼育法」「スポーツの地域格差の解消」など、島の特性を踏まえたユニークなテーマが見られた。またテーマを「サトウキビの搾りかすからエタノール作り」から「じゃがいもから焼酎作り」へと方向転換を図ったり、地元特産を使ったスイーツ開発ではドラゴンフルーツから黒糖と抹茶に切り替えるなど、失敗してもその反省を踏まえて次の一手に踏み込む、高い柔軟性がうかがえた。「これまではある程度テーマカテゴリーを設定していたのですが、今年度は自分たちの興味のあることをテーマにしてもらいました。先生方のフォローは大変でしたが、生徒の個性が発揮され、取り組みへの真剣みが増したと考えています」と同校の餘慶暁先生は話す。

 探究テーマの設定のように、同校では毎年新しい試みを行っている。2023年度は三菱みらい育成財団の助成を受け、1年生を対象に、徳之島で活躍されている方々を訪れてインタビューするバスツアーを実施。1年生の森太陽さんは、「島外から来られた方からは、事前に島の情報がなくて不安だったというお話がありました。自分たちがもっと役に立つ情報を発信していかなければと感じ、2年生ではこのテーマについて探究していきます」と話す。ツアー前には、各都道府県で行われている地域資源を活用した取組を分担してリサーチ・発表した。「小中学校で島外のことを知る機会はほとんどないので、生徒たちにとっては新鮮だったようです。外部の取組から島にも活かせるヒントを得たり、また外部を知ることで改めて島の良さを知ったことで、おのおの、課題認識を持ってツアーに参加してくれました」と餘慶先生は話す。

 また12月には生徒会の生徒6人が、屋久島を訪れ、屋久島高校の生徒たちと交流する場も設けた。参加した2年生の嶺山結さんは「徳之島では卒業後に島外に出たいという高校生が多いのに対し、屋久島高校の生徒は、自然豊かな屋久島を愛していて、島での将来を語っていたのに衝撃を受けました」と話す。島の発展には「島を愛する気持ち」が大切だと同世代から学んだことが、大きな刺激となったという。生徒たちに徳之島の魅力を「再発見」してもらうために、さまざまな手法をトライしている同校の成果が徐々に出始めている。

屋久島の研修には嶺山さん(下から2番目)の他に森さん(中央)も参加。「屋久島高校の皆さんは自分たちの島について何を聞かれてもすぐに答えられるほどよくご存じでした。自分はまだ徳之島のことを知れてないし、答えられないと気づかされました」と話す。

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