カテゴリー 12020年採択

大阪府立大阪ビジネスフロンティア高等学校

対象者数 800名 | 助成額 100万円

https://www1.osaka-c.ed.jp/obf-b/

Program小高連携プロジェクト
〜子どもお店バトル〜 〜カンボジアの子どもたちの夢を叶える一歩〜

 生野本通中央商店街(大阪市生野区)を舞台に、近隣小学校(生野小学校・西生野小学校・林寺小学校)と本校生徒が協働で、お店づくりを行い、戦略会議と販売イベントを実施する。高校生がファシリテーターとなり、「マーケティング戦略」「販売戦略」を小学生に伝え、店舗の利益1位を目指すとともに、商店街の活性化に取り組む。得た利益でSDGsの17項目について目標達成に向けてプランニングと実践を行う。一例として児童養護施設の子どもへのクリスマスプレゼントおよびカンボジアの子どもへの食料・学用品支援を継続的に行う。協働先の大阪シティ信用金庫、大阪府商店街振興組合連合会、NPO法人テラ・ルネッサンスにアドバイスを頂きながら、PDCAサイクルで改善と実践を繰り返し実施する。

 「英語」と「ビジネス」を学ぶ生徒が普段の授業で得た知識を活用していくことを目的としており、世界共通の課題を把握し、高校生の視点で課題解決へ向けて活動する、主体的で対話的な深い学びを実践していく。

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活動レポートReport

小学生と本気のビジネス

  19年度から1~3年生の有志を募り、市立3小学校(生野、西生野、林寺)と協働。生野本通商店街の空き店舗で、お店づくりに取り組んでいる。高校生がファシリテーターとなって、マーケティングや販売戦略、販売後の決算書作成までを行う。
 ちょうど18年度に国際協力機構(JICA)の紹介で世界平和の実現を目指すNPO法人テラ・ルネッサンス(京都市)の存在を知り、持続可能な開発目標(SDGs)に関わるビジネスプランとしてカンボジアの子どもに絵を描いてもらい、シール(写真)を商品に貼る取組を行っていた。これによって、お店で出た利益を現地の児童教育支援に寄付する仕組みもできた。

 財団の助成プログラム対象は3小との協働だが、他にも市内2小と同様の取組を行っている。
 こうした活動が生徒の自発的な取り組みとして展開できるのも、専門高校としての学習が背景にあるからだ。大阪ビジネスフロンティア高校は12年度、市立商業高校3校を統合。大阪の新産業創造を担い、グローバルフィールドで活躍できるビジネススペシャリストの育成を目指して、グローバルビジネス科を設置する新しいタイプの高校として発足した。
 小学校の総合的な学習の時間で授業をする際には当然、専門用語を使っても伝わらない。小学生にも分かるように説明することで、深い理解にもつながる。
 それ以上に生徒が成長するのは、大学との連携だと大中真太郎教諭は指摘する。1年生のビジネス基礎や3年生の総合実践で、SDGsに取り組むゼミの学生を招き、発展途上国の課題解決について発表し、アドバイスをもらっている。対象地域が絞られたり、解決の視点が広がったりするグループが少なくない。21年度以降は生徒を現地に派遣し、ビジネスを企画したい考えだ。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

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