ProgramVUCA時代にグローバルに活躍する!
箕面高校発、全員発揮型リーダーシップ教育。
3段積み上げ型リーダーシップ・プログラム
(1)自己探究・他者探究 (2)「問い立て」のスキルアップトレーニング (3)社会探究
以下に(1)から(3)それぞれについての概要を示す。
(1)自己の内面に目を向け、自己分析を通じてそれぞれの個性・強みを生かしたリーダーシップの確立を行う。そして、そのリーダーシップを全員が安心・安全にそして自信をもって発揮するためのマインドセットを行う。他者探究を通じて他者のリーダーシップの開発支援やそれを認め合える環境作りを行う。多様性を認め合い、「違いを楽しむ」、「自己と他者の共通点を見出す」マインドを育む。
(2)物事を多角的かつ深く認識・理解しながら課題を発見し解決するための問い立てのスキルを養う。ある事象や提言(以下質問の焦点)を批判的かつ論理的に理解し、問いを投げかけ、その問いを精査しつつ精選・改善していく流れを経て、その“問い”が探究・解決するために必要な本質的な問いを生み出すようになることを目的とする。
(3)箕面高校生をMICC(Minoh Idea Creating Corporation)の社員とし、全員がリーダーシップを遺憾なく発揮する全員発揮型リーダーシップで、実際の企業様・団体様が抱える課題(テーマ)を本校生が探究を通じて解決を図るプロジェクトである。



活動レポートReport
課題解決を通して見つける自分の中のリーダーシップ
箕面高校では2022年度に校内で探究委員会を発足させ、23年度より「総合的な探究の時間」で企業の課題を解決するPBLを実施。しかし「プロジェクトを進めることに注力してしまい、生徒にどのような資質・能力を身に付けさせたいのかという軸が見えなくなっていました」と、探究委員長を務める安川晋平先生は話す。
24年度に向け生徒に身に付けてほしいコンピテンシーを模索した中で、たどりついたのが「全員発揮型リーダーシップ」だった。自分の中にすでにある強みをリーダーシップとして感じてほしいという思いから、「先頭に立って指導するようなものではなく、チーム活動の中で他のメンバーに与える影響力が全員発揮型リーダーシップだよと、生徒に話しました。自分にはリーダーシップがないと思っていた生徒も、これならば頑張れそうと思ってくれたようでした」と安川先生は振り返る。
プログラムの対象は、普通科とグローバル科の1・2年生で、学科の垣根を越えた交流を育めるよう合同で行い、取組は3段階に分けた。1段目では自己分析を通して自己のリーダーシップの確立。2段目はスキルアップトレーニングを通して問いを立てる力と、創造的な対話力をつけていく。3段目では、生徒が仮想企業「MICC(Minoh Idea Creating Corporation)」の社員という建て付けで、企業の課題解決を行う。連携企業は、ショッピングセンターや電機メーカー、NPO法人など、安川先生が地道な交渉を重ねて協力を仰いだ。今年度の取組では、解決のアウトプットではなく、その過程における生徒同士の相互フィードバックを重視した。「話すのが苦手だったけれど、他の生徒から『しっかりと聞く力があなたのリーダーシップ』と言われ、自信を持った生徒もいます。プログラム前後で生徒の表情が変わってきました」(安川先生)。
教員への取組では、助言をもらっている甲南女子大学から講義を受ける機会を設けた。今では授業後に反省点や改善案を出し合う姿が見られるようになったという。
「自分なりのリーダーシップを見つけ発揮していく学びは、誰にとっても必要なものだと思います。学校説明会の際は、中学生向けの体験授業で探究の授業を実施し、手応えを感じました。『この活動があるから箕面高校に入りたい』と言われるようなものにしていきたいですね」と安川先生は話す。箕面高校では、生徒一人一人が自分らしいリーダーシップを形にしようとしている。
体育館で開催した、学年全体の発表会の様子。