カテゴリー 12024年採択

岡山県立岡山芳泉高等学校

対象者数 949名 | 助成額 200万円

https://www.hosen.okayama-c.ed.jp/

ProgramHOSENみらい「探究」プロジェクト

 本プログラムは、「総合的な探究の時間」を中核に、生徒の探究的な学びを進めていくものである。本プログラムの中で、地域と協力することや探究の結果を外部に発信することを通して、自らの進路を探究していく生徒を育成することになる。

1年次:Well-beingの実現のためのSDGsを探究するグループ探究を行う。探究手法を学び、ポスターセッションと論文作成を行う。

2年次:進路実現を見据えた、各自の在り方生き方を探究する個別探究を行う。志望に合わせた「ゼミ」を選択し、課外活動へ参加するとともに、ポスターセッションや成果物作成を行い、成果を外部へ発信する。

※3年次生は、総合的な探究の時間が教育課程上はありませんが、2年次までの探究成果を踏まえた課題意識を育て、授業内の活動とともに、さまざまな課外活動に参加し、各自の進路を探究することに繋げる。

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ゼミ形式を取り入れ外部との接点として運用

「2024年度、生徒の変化で最も印象的だったのは、早い時期から自分の課題意識を持って校外で活動する生徒が多くなったということでした」と、岡山芳泉高校の鳥取海峰先生は話す。同校では7年前から国際バカロレアの手法を取り入れたアクティブラーニングを行ったり、オリジナルの教材を制作するなど、探究活動を年々ブラッシュアップしてきた。23年度は探究活動の先進校4校を視察し、そこで得たヒントを24年度の活動に早速反映したという。

 同校の探究活動は、1年次では4人のグループに分かれて、探究的な手法を学んだ後、「みんなが笑顔になるには?」というテーマに対して、SDGsの観点から探究していく。2年次は1年次で身に付けた知見を基に、データサイエンス、ビジネス、法・政治、教育、医療、農学、企業探究、SDGsという八つのゼミに分かれ、個人探究で課題に取り組んでいく。

 2年次のゼミ形式は、他校のヒントを基に取り入れたもので、Google Classroomを活用して、各テーマに関する校外のイベントや講座の情報を共有し、生徒と外部のつながりを促進した。「4月にゼミ分けをしたことが、生徒にとって『自分の関心はどこにあるんだろう』と深く考えるきっかけになったようで、課題意識をしっかり持って、外部の講座などに積極的に参加する生徒が増えました」と、鳥取先生は振り返る。「さらに外部とのつながりを広げていくために、将来的には各ゼミの担当の先生が、外部と協力しながら講座を企画したり、講師を呼べるような体制にしていきたい」と話す。

 24年度にもう一つ注力したのが、「地域との連携の促進」だ。従来から行っていた近隣の農業高校との連携はゼミの「農学」とつなげたり、また企業との連携としては、生徒たちが地元企業4社にインタビューし、企業広告を制作。12月には公民館で企業や地域の方々の前で広告案を発表した。「もともとは公民館主催イベントで得た企業との接点でしたが、この機を逃さずに各企業に協力を依頼したことで新たな連携を実現することができました」(鳥取先生)。

 探究学習と外部との活動をつなげて、自分の在り方や生き方、進路などを考えるようになった生徒が増えた一方で、「探究コンテストなど、外部でアウトプットする生徒はまだ少ないと考えています。来年度は外部発表での経験を、探究活動にフィードバックできるような支援をしていきたい」と鳥取先生は25年度に向けた抱負を語った。

ゼミごとに教室に分かれ、代表者が探究活動について発表した(写真は教育ゼミ)。1、2年生が、教室を移動しながら、それぞれ興味のある分野を聞きに行く形式をとった。

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