カテゴリー 12024年採択

長崎県立小浜高等学校

対象者数 37名 | 助成額 90万円

https://www2.news.ed.jp/section/obama-h/

Program島原半島の魅力再発見プロジェクト「本校での略称:しみプロ」
~ 「小浜さらん」定期発行へ ~

 異世代と協力しながら地域振興を図る。異世代(中学生・大学生・地域住民)と連携して、地元長崎県の島原半島を活性化させるプランを考え、提案・実行する。そして、成果を素材として活かして観光客をメインターゲットとしたフリーペーパーを作成し、地元の魅力を発信する。

 長期休業中に異世代(中学生・大学生・地域住民)とワールドカフェ形式のワークショップを実施する。その際、大学教授等の専門家に地域課題の明確化および地域活性化プランの提案・実行に向けての助言をいただく。

 本校の「総合ビジネス科」では韓国語を学び、韓国と交流をしていることから、小浜高校のある小浜町の「小浜」と、韓国語の「愛=さらん」を併せた「小浜さらん」をフリーペーパーの名称としている。地元企業等の広告を掲載し、印刷資金を提供してもらう形で、自走できるシステム作りを行う。この「企業広告」部分も、本校生徒が取材・制作を行うことで紙面の充実を図る。

 生徒全員が一丸となって、「小浜さらん」の制作を行う。成果物「小浜さらん」を手に取る段階で、または「小浜さらん」を手に取った周囲の大人からの声かけ等で生徒の目の色が変わることを期待する。

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生徒たちが学校内外で刺激を受けられる環境づくり

 2024年度、小浜高校ではこれまで取り組んできた、島原半島の魅力再発見プロジェクト、通称「しみプロ」の二つの活動を外部の協力も得て改めて見直し、強化する方向で進めている。一つが、中学生・大学生・地域住民という異世代と連携したワークショップだ。ワールドカフェ形式で、島原半島の活性化に向けたアイデアを出し合うというもので、アイスブレイクや各グループの進行は有志で参加した生徒たちが務める。「コミュニケーションをとるのが苦手だった生徒たちがここでの経験を通して、人前で自分の意見を言ったり発表することに自信をつけてくれているようです」と、同校の緒方康仁先生は話す。

 24年度は、鎮西学院大学の教授・大学生にアドバイスをもらいながら、冬休みに実施する予定だ。

 もう一つの取組が、フリーペーパー「小浜さらん」の制作だ。地元住民や観光客を対象にしたもので、これまでに生徒会メンバーを中心に過去2回制作していたが、今年度は普通科2年生の「総合的な探究の時間」で取り組む地域課題解決学習の内容を記事に反映するという。2年生は、地元企業と商品開発に取り組み、実際に販売したり、近隣にある小浜温泉のPR動画の撮影、企業のCM制作に取り組んでいる。その内容を11月の校内発表会で披露した後、今度はその発表を見た1年生が「小浜さらん」編集のバトンを受けとる。「鎮西学院大学の先生から、広告スペースも生徒たちの発表の場にできるのではないかというアイデアを頂きました。1年生が企業と連携しながらPR企画を考えて広告を作って、新しい『小浜さらん』を完成させる予定です」(緒方先生)。この枠組みは、長崎県立松浦高校の事例を参考にしたもので、10月に普通科1・2年生全員で松浦高校の校内発表会へ参加予定だという。「そこで本校の生徒の発表の場も頂くこともできました。近隣に鉄道もなく、他地域との交流の機会が少ない生徒たちは、松浦高校の発表を見て、レベルの違いに驚くかもしれませんが、こうした経験も貴重な機会。同世代から刺激を受けて、工学や農学などアカデミックな視点も取り入れた幅広い活動にシフトするきっかけにしたい」と、寺田五男教頭は話す。

 また今年度は普通科1・2年生の発表会に、課題研究に取り組む総合ビジネス科3年生も初めて参加して発表するという。学校内外で刺激を受け、与え合うことで、同校の探究活動を活性化させたいと、寺田教頭は期待を込める。

校外での活動日に、地元のアイスソルベ屋「アールサンクファミーユ」にて、アイスソルベの試作を行った際の集合写真。

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