カテゴリー 12021年採択

岐阜県立岐阜高等学校

対象者数 720名 | 助成額 200万円

http://school.gifu-net.ed.jp/wordpress/gifu-hs/

Program百折不撓・自彊不息の精神で目指せ!グローバルリーダー
~岐高型探究活動プログラムにより“清流の国ぎふ”から世界へ飛翔する若者の育成~

 創立148年を迎え全国的にも有数の伝統校かつ進学校である本校において、入学から2年間をかけて毎週1時間ずつ、本校独自に設定したFPT(Future Planning Time)の時間を中心に、地域・社会課題解決に向けた“岐高型探究活動プログラム”を実践している。

 具体的には、生徒一人ひとりが1年次の課題発見プログラム(職業学問研究、各種講演会、キャリア形成読書会等)を通して自身の課題を発見し、2年次の課題探究プログラム(調査・実験、海外研修、研究交流会等)により研究成果をまとめる。

 「岐高型探究活動プログラム」の特徴は以下の通りである。 

1.国際社会および地域社会におけるリーダー育成が求められる本校のミッションを踏まえ、グローバルな視点での国際理解に関わる研究から、自然環境や地域社会に根差した研究まで、幅広い対象を研究の課題としていること。

2.生徒自身が問題意識を持つ課題に対して、入学時から2年間をかけ、教員の指導や生徒相互による交流を深めながら、長期にわたり個人単位で研究活動を進めること。 

3.日本を代表する企業や大学関係者から講演やアドバイスを受ける他、WWL(World Wide Learning 文科省指定)連携校や県内他校との研究交流(SSS:Super High School Session 岐阜県教育委員会主催)を礎に、優れた取り組みは国際会議や学会で発表を行うなど、学問的にも高いレベルを追究していること。

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活動レポートReport

教育課程内外で育成する 「トータル・パーソン」

  1873(明治6)年創設の旧制岐阜中学などを前身とし、来年度に150周年を迎える伝統校である。
 国公立大学の合格率は毎年70%を超え、80%に達する年もある。そんな超進学校の岐阜高校だが、見方・考え方の多様性を学ばせる「エンパワーメント・プログラム」や高校模擬国連大会など、体験型の活動が数多く用意されている。

 その典型が、2013年度から始めた「グローバルリーダー養成事業」だ。卒業生をはじめ各分野で世界的に功績を挙げた人など毎年20~30人を招く。
 「生徒の心に火をつける」を合言葉に、確かな学力にとどまらず、スクール・アイデンティティー(SI)として掲げる「トータル・パーソン」(知性と精神性を高い次元で統合した人間)の具現化を目指している。
 具体的には、①基調講演会(同窓会主催)②職業・学問体験プログラム③最先端科学体験プログラム④国際交流体験プログラム⑤各種大会体験プログラム(科学の甲子園など)――で構成する。
 講演の後には、希望者対象に懇談会も行われる。講師選定は教職員から提案を受け、校内審査会で決定。生徒が提案から交渉までを担う「生徒企画」もあり、21年度は教育系ユーチューバーの葉一さんの講演を実現させた。

 さらに県教委から、理数探究を見据えた「理数教育フラッグシップハイスクール」(18年度から)や、教科横断的課題を探究する「スーパー・インクワイアリー・ハイスクール」(21年度)にも指定された。名古屋大学附属高校をカリキュラム開発拠点校とする文部科学省「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」の連携校にも登録。県教委主催の「スーパーハイスクールセッション(SSS)」をはじめ、他校生との交流で刺激を受ける機会は多い。

 そうした中、総合的な探究の時間「Future Planning Time(FPT)」を中心に、地域・社会課題解決に向けて実践しているのが「岐高型探究活動プログラム」だ。まず1年次に、課題発見プログラムを通して自身の課題を発見。2年次の課題探究プログラムで、研究成果をまとめる。
 こうした教育課程内外の活動が奏功し、全国大会の「物理チャレンジ」や「化学グランプリ」で最優秀賞を受賞するなど、高い成果を挙げている。

渡辺敦司(教育ジャーナリスト)

7月に行われた1年次の「キャリア形成読書会」の様子。新書を中心に、文系から理系まで幅広い推薦図書23冊の中から1冊を読み、グループ内で内容を発表するもの。説明する方も聞く方も、みな真剣だ。

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