カテゴリー 12021年採択

兵庫県立御影高等学校

対象者数 626名 | 助成額 200万円

https://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/

Program伸ばせ!「みかげ力」
〜外部連携を活かした生涯学び続ける生徒を育てる探究活動〜

・外部機関との協働の仕組み(強み)を生かし、SDGsを意識した文理融合の問題解決型探究活動の充実を図っていく

 1.1年一般クラス「現在困っている人を手助けするプロジェクト」 

 2.1・2年総合人文コース「フィールドワークを踏まえた地域探究プロジェクト」 

 3.3年一般クラス「これまでの学びの知識を生かしたアカデミックリサーチ」 

 1〜3の探究活動においては、これまで構築した神戸市東灘区役所や神戸大学文学部等の外部機関との協働の仕組みを生かし、実社会の諸課題について、SDGsを意識しながら、既存の教科や文系・理系の枠を超え、学際的に、自分たちのこととして捉えて探究する活動を展開する。

 

・「評価される」場を増やし、生徒の「自分の可能性を信じる力」を伸ばす仕掛けの工夫 
 探究活動において、行政・大学・地域のさまざまな団体と連携したフィールドワークや、同世代および世代の異なる方々に向けて「伝える」場の設定をこれまで以上に充実させる。「評価」「意欲」「さらなる学び」をスパイラルアップし続けていくことにより、「生涯学び続ける生徒」の育成を目指す。さらに、より良い伝え方・より良い探究を生徒が自ら模索する過程で「みかげ力」(=「主体性」「言語表現スキル」「協働性」「課題解決能力」)を磨く。 

 

・活発な議論を生み出す工夫とICTを活用した新たな学びの実践等の教員の専門性の向上 
 ICT環境の整備状況を踏まえつつ、探究活動の過程において議論の深まる環境づくりを進めるとともに、教員向けの研修を進め、新たな学びの実践や専門性の向上に努める。

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活動レポートReport

「評価される場」を増やすことで生涯の学びへとつなげる

 「普段交流のない他校生の前で発表する機会を設け、生徒に刺激を与えたい」という御影高校の発案を受け、三菱みらい育成財団が助成先の一つである岡山学芸館高校に声掛けし、2022年3月14日に合同発表会が実現した。御影高校の総合人文コース1・2年生の有志61人が、学芸館高校を訪れ、各校40分ずつ、6つの教室で1~4人に分かれて発表。生徒たちは関心のある発表をいくつも聞いて回った。企画した橋本淳史先生は、「生徒たちからは、探究の内容だけでなく、発表の仕方が勉強になったという声がありました。オフラインの良さが実感できた発表会になりました」と話す。一方、学芸館高校の橋ケ谷多功先生は、「生徒の素朴な疑問をアカデミックに掘り下げた探究活動が多い」と話す。確かに「なぜ嘘は広まりやすいのか」「アイドルグループの歌詞戦略」「穴場の心」など、ユニークな発表が多い。

 1年一般クラスの探究も「現在困っている人を手助けするプロジェクト」と特徴あるテーマ。「生徒たちには自分たちでも役に立つことがあると実感してもらうとともに、困っている方にも実際の助けになるwin-winの関係を築きたいという狙いがあった」と橋本先生。しかし、必ずしも「人助け」をゴールとしているわけではない。例えば、海岸にはゴミがたくさんあって大変だろうと思って現地に行ってみると実はそうではない。さらに調べてみると、地元の有志がゴミ拾いをしていたことが分かり、実際にそのイベントに参加し、その一連を発表。「人助け」をとっかかりに外部調査→調査分析→発表というサイクルを回している。

 中谷安宏校長(21年度当時)が「継続的な連携のカギ」と話す“win-winの関係”は、東灘区役所や神戸大学との連携にも見て取れる。区役所の若手職員が探究活動へ助言する一方で、発表会・意見交換会の場では「10代に向けた効果的な区の広報活動」など、地域の若手代表として生徒が意見を述べている。神戸大学とは、15年前から連携を結び、教員志望の学生が講義の一環として、3カ月間探究活動を直接指導している。

 もう一つ同校が重視しているのが、生徒が評価される場の設定だ。成功体験が、自分の可能性を信じる力や主体性を向上させ、「生涯学び続ける」ことにつながるという考えの下、発表の場を増やしており、岡山学芸館高校とのコラボもその一環だ。22年度は、3校合同での発表会も検討、生徒の力を伸ばす場づくりに力を入れている。

岡山学芸館高校との交流発表会後の3月19日に実施した課題研究発表会の様子。総合人文コース2年生が、取り組んだ研究の成果を中学生に発表。

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