カテゴリー 12021年採択

神戸市立神港橘高等学校

対象者数 960名 | 助成額 200万円

http://www2.kobe-c.ed.jp/skt-hs/

Program多層的探究過程と学びの土壌で実現する地域協働探究
~正解(こたえ)のない課題(とい)に挑み続ける「地域の人財(たから)」~

 開校以来探究活動に取り組んでいる本校では、フィールドワーク、インタビューといった探究の必須過程を系統的に学ばせるとともに、他者に対する基本的信頼関係という「学びの土壌」を醸成することで、(コンソーシアムを核とする)地域と協働した探究活動を学校全体の取り組みとして効果的に展開している。 

 本校は「人を財ととらえ、地域を愛し地域で活躍する人財を、地域とともに育てる」をスクールミッションとし、スクールポリシーを定めている。 

 カリキュラム・ポリシーのうち、「インターンシップ」は一般的な休業中の短期インターンシップではなく、通年型(毎週木曜日、朝から一日中、年間20回程度)を実施している。「地域連携・協働」では地元・神戸市兵庫区と地域連携協定を締結し、地元の産官学公から成る「神港橘コンソーシアム」を設立して、タウンミーティングなどのさまざまなプログラムを展開している(文部科学省「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」アソシエイト校に認定)。 

 「企業連携」として一日ホテルの運営一切に携わる「高校生ホテル」や、地元観光バス会社と連携し企画・販売から当日の添乗までを担う「高校生バスツアー」などを実施している。

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活動レポートReport

探究活動とモラルジレンマ教育を軸に地域を支える人財を育成

  明治40年・昭和3年創立の二つの高校が統合し、2016年に新しく開校した神港橘高等学校。長年地域に親しまれてきた歴史を持つ同校は開校以来、地域をステージとした探究活動を展開している。1年生では神戸のフィールドワーク、2年生では身近な職業人のインタビュー、3年生では集大成としての課題研究と、探究過程に必要なスキルを段階的に学習させている。

 並行して力を入れているのが、モラルジレンマ教育だ。「3年間のモラルジレンマ教育を通して、他者の異なる視点や価値観を受け入れ、また自らの意見も発信することを学び、コミュニケーション能力の育成につなげています」と笠谷忠幸先生は話す。探究活動をする上では、チームワークや外部関係者との信頼関係構築がベースとなる。探究活動に必要なスキルとベースの両軸を3年間で生徒に身に付けさせている点が特徴となっている。

 こうした取組を中心となって推進しているのが、笠谷先生がセンター長を務める「みらいサポートセンター」で、専任教員10名で動いている。進路指導や地域協働、ボランティア、広報業務の他、「総合的な探究の時間」やモラルジレンマ教育などについても一元的にサポート・指導を行っている。

 同校のこうした特徴的な取組は地域でも認知度が高くなっており、探究活動やモラルジレンマ教育への関心をきっかけに入学した生徒も少なくないという。山根修校長は、「今年は受験生の保護者説明会の学校説明を先生に代わって生徒2人にしてもらったのですが、『人前で話すのが苦手だったがこの学校の学びによって自信がついた』と熱く語ってもらい、その成長ぶりに驚き、感動しました」と話す。

 文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」(プロフェッショナル型)のアソシエイト校にもなっており、地元の産官学公からなる「神港橘コンソーシアム」を設立して、地域連携・協働プログラムを展開している。関係者からは「地域の将来の担い手」としての期待も大きく、同校では、「地域住民の一人として地域の活動に参加し、地域を支える人財づくり」に焦点を置き、昨年度は公園の緑化や商店街の活性化策としてボランティアアルバイトなどに取り組んできた。今年度はこうした活動をさらにレベルアップさせ、地域にインパクトを残せるような実績を出すことを目標としている。

1年生の「神戸ディスカバー」の校内発表会

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