カテゴリー 12025年採択

北海道札幌月寒高等学校

対象者数 960名 | 助成額 200万円

http://www.sapporotsukisamu.hokkaido-c.ed.jp

Program探究学習プロジェクト「BEING ALIVE」

BEING ALIVEⅠ 未知のテーマ・領域に触れる

1年次は大人(教師や外部の専門家など)が子どもたち(生徒)に「触れておいてほしい」「知っていてほしい」「考えてみてほしい」テーマ・領域を用意し、生徒たちは探究したいものを選択する(まずは半年、その分野のスペシャリティを持つ大人とプロジェクトに挑む)。世の中知らないことだらけであることや、自分で課題を見つけることの意味に気づかせる。

BEING ALIVEⅡ 自分のやりたいことをやる

2年次は「教師・大人の指導性発揮」から「生徒の主体性発揮」へ移行する。生徒自身が情熱的になれる目的・目標・課題を見出し、自分のエネルギーをそこに焦点化する。生徒同士の対話のみならず積極的に校外に出て、多様な他者と「自身が守り抜きたい価値観、倫理観、知識」をアップデートするための動的な議論・対話を生み出す。

BEING ALIVEⅢ 自分の人生のリーダーになる

3年次は「人生」という大きなプロジェクトに挑む。ひとつ大きなそのプロジェクトの入口に立ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら課題解決学習に取り組む。「自分で気づき 考え 行動する」自立へ向けて、探究力を強化しながら一つひとつ新しい未来を意味づけていくのがBEING ALIVE(生きていること)そのものである。

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活動レポートReport

3年間の段階的探究プログラムですべての生徒に「自分の可能性」を実感できる瞬間を

 探究学習プロジェクト「BEING ALIVE」は、今年で3年目を迎えた。総合的な探究の時間が目指す「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題を自ら発見し、解決していくような学び」を実現するために編み出されたプログラムだ。

 プロジェクトを担当する村中幸一教諭は、探究学習を通じて高校生が「自分の良さや可能性を実感する瞬間」をつかむことを期待している。そのため、生徒自身の価値観、社会課題、そして可能性が重なり合う領域での探究が最もふさわしいと考えている。

 1年生の探究は、「地域経済」「AI」「国際交流」など、全14テーマから希望する分野を選んで学ぶ形式だ。新しい領域に出合う経験を通して視野を広げ、質の高い成果につながるようインプットを重視する。テーマごとに大学や道内外の高校と連携し、専門家や研究者の伴走のもと、約半年間にわたり深く思考する。例えば「野生動物との共生」講座では、網走や釧路の高校生と協働する。地域によって抱える獣害リスクの違いを比較し、「道民として野生動物に対してどんなリテラシーが必要か」という普遍的な問いを、高校生同士や専門家と共に議論する。

 2年生は個人での探究に移行し、自分自身のテーマを設定して取り組む。対話を通して自己の気づきを深め、それを他者に伝える経験を重ね、自己変容について自身の言葉で説明できるようになることを目指す。3年生は、進路や将来のキャリアを見据えた個人の課題探究学習に時間を充てる。大学入学後も研究力を発揮できるような、展望を持った活動と学びを目指す。村中教諭は「基礎学力の習得と探究の両立こそが、大学教育の質を支える普通科高校に求められる教育力だ」と語る。

 生徒が自身の生き方や社会との関わりについて深く考える機会を提供するには、外部資源を活用するだけでなく、外部発信のための連携も不可欠だ。その具体策として、2026年3月には北海道大学と共催で、共創イベント「EXPO!t(エキスポット)」を札幌コンベンションセンターで開催する。連携先や道内他地域の高校生を集め、専門家と共に地域課題について議論する予定だ。人口減少が進む北海道において、生徒を内向きにせず、プロジェクトを外部に発信することで地域社会全体の教育力を向上させる「コミュニティのエンパワーメント」を強く意識した取組だ。

長尾康子(教育ライター)

来日した台湾の高校生と交流する1年生。国際交流は14のプロジェクトの一つ。半年おきに相互訪問を行っている。

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