Program高校生がぐるぐる回す「マテリアル循環社会」
―能登半島地震を契機とした古材レスキュー活動への正統的周辺参加―
本プログラムは、都市と地方の高校生が被災地の復興支援の一環として、能登半島地震によって被災した家屋から再利用可能な木材や建具を取り出し(古材レスキュー)、それらの活用方法を建築家や地域住民、事業者とともに考え、資源を循環させる社会の形成を目指すものである。
高度経済成長期以降の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした線形経済(リニアエコノミー)は、持続可能性の観点から弊害が多く指摘されており、近年は資源を循環させる循環型経済(サーキュラーエコノミー)モデルへの転換が求められている。2024年1月1日に発災した能登半島地震においても、被災した建物の多くが解体後に大量の廃棄物として処理され、有効活用がなされていないという課題がある。
現在、富山県氷見市では市民有志や建設会社、建築やまちづくりを専門とする大学の研究者や学生が協働し、被災家屋から再利用可能な古材を取り出す活動を実施している。しかし、取り出した古材の活用方法は模索中で、活用先が少ないなどの課題がある。
古材の活用は都市部の方が進んでおり、地方では新材を使うことが多いという実情もある。都市での古材活用の事例を知っている都市部の生徒と地方の実情を知る生徒たちが交流することで様々なアイデアが生まれ、メインの活動地である富山県において古材を活用する機運を高めることにつながることが期待される。そして、これらの活動を通して生徒自身が社会変革への自己効力感を高め、将来にわたってより良き社会の形成者となる資質を高めることをゴールとしている。

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