カテゴリー 12021年採択

岡山学芸館高等学校

対象者数 940名 | 助成額 200万円

http://www.gakugeikan.ed.jp/

Programこれからの社会を創造するグローカルリーダーシップの育成
~社会課題の解決に正面から立ち向かうユース層の育成を目指して~

 Society5.0の実現に向けてデジタル化を中心とした急速な社会変革が進んでいる。そのような中、人の役割を再考することが必須である。

 本プログラムは、私たちの生きる社会のイノベーションは人にしか起こすことができないという原点に注目したプログラムである。そのためには、ユース層が社会の大切な構成員である自覚と社会事象に対して主体的に行動実践できる態度が必要であると考えている。従来の思考にとらわれず、自分が社会を描き創造する主体者であるという意識と行動を育むことを目標とする。 

 この目標を達成するためには、全校生徒の多様な興味関心に即した課題研究カリキュラムをつくり上げる必要がある。そのため、授業時間+自由にカスタマイズできる課外活動をセットにした総合的学習スタイルの確立に挑戦する。 

 授業では2年生のゼミナール活動をさまざまなテーマで設定し、活動の基盤と研究スキルを修得する。加えて、学びの進化プロジェクトと題し、「地域と協働した学び」「国内と協働した学び」「世界と協働した学び」という3フェーズから生徒の意志により選択できる課外活動を用意することで、個別最適化した学びのプラットフォームを整備する。

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常に変化し続けながら、 探究のプラットフォームを構築

   岡山学芸館高等学校は2015年にスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されて以来、「グローカルリーダーの育成」を目指して課題研究カリキュラムに取り組んできた。
 1年次は全クラスをシャッフルした課題研究用特別クラスを編成。グローカルリーダーに必要な資質としている「グローカルマインド」「メタ認知」「分析力」の育成を目的に、隔週100分でアクティブ・ラーニングやディスカッション型授業を実施している。教材は、校内組織・課題研究部のコアメンバーの教員が作成。授業の2日前には教員会議を開き、授業のポイントをすり合わせるなど、担当教員のフォローアップも実施している。

 2年次は「発想力」「行動力・実践力」を加えた五つの資質を身に付けさせるゼミを展開。「生徒の主体性は“思い”と“興味”から生じる」という見解から、生徒の興味・関心にきめ細かく寄り添えるよう、24のゼミを開講。外部リソースや教師の専攻・知見を基に、社会課題から法律、経済、環境、芸術等、幅広いテーマを設定している。
 SGHに指定されてからの6年間、生徒の多様な興味・関心の受け皿となるプラットフォームを構築してきた中で、「変化し続けることを意識してきました」と課題研究部部長の橋ケ谷多功先生は話す。「1年次のオリジナル教材は、生徒の反応などを見て毎年必ず改訂し、ゼミも毎年同じ外部に依頼するのではなく、生徒の関心をリサーチした上でテーマを設定しています。常に生徒の実態に合わせた軌道修正が重要だと考えています」。

 昨年度のアンケートでは「社会に対して高校生ができることがある」と答えた生徒が80%以上になるなど、「グローカルリーダー」の自覚が見られるようになってきた。しかし今年度はコロナ禍で、フィールドワークなどの実体験を通して社会の出来事を自分事にしていく、またソリューションを求めて社会の中で実際に動いてみるなどのプロセスが実施できていないという。こうした中でも実現できることからと、9月から付属中学校にも呼びかけ、「連続リベラルアーツ講座」を感染対策を行いながらリアルで実施。また授業の時間外でも生徒が自由に選択して学びを深められるプラットフォームづくりの準備も進めている。
 「生徒が新たな発見ができる環境整備に力を注ぐ」という軸と「変化し続ける」という意思をもった同校のチャレンジが、コロナ禍をどう乗り越えるか注目される。

連続リベラルアーツ講座の様子。中学生・高校生40名が参加した

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