三菱みらい育成財団では、助成先の皆さまに交流の場を提供する「プラットフォーム事業」の取組みとして、年4回、オンラインと対面形式で交流会を実施しています。助成先および3年間の助成期間を終えた「アルムナイ」同士が情報交換し、ネットワークづくりを進めることで、相互の気づきと学びを生み、グッドプラクティスの横展開につなげることを目的としています。夏に開催する地域別交流会は、近隣同士の繋がりを促し、コミュニティづくりのきっかけとなる場として企画しています。今回は7月18日に大阪・岡山・福岡、7月25日は東京・仙台・名古屋の6会場で実施し、233人(仙台39人、東京62人、名古屋31人、大阪31人、岡山32人、福岡38人)の方にご参加いただきました。
三菱みらい育成財団では、助成先の皆さまに交流の場を提供する「プラットフォーム事業」の取組みとして、年4回、オンラインと対面形式で交流会を実施しています。助成先および3年間の助成期間を終えた「アルムナイ」同士が情報交換し、ネットワークづくりを進めることで、相互の気づきと学びを生み、グッドプラクティスの横展開につなげることを目的としています。夏に開催する地域別交流会は、近隣同士の繋がりを促し、コミュニティづくりのきっかけとなる場として企画しています。今回は7月18日に大阪・岡山・福岡、7月25日は東京・仙台・名古屋の6会場で実施し、233人(仙台39人、東京62人、名古屋31人、大阪31人、岡山32人、福岡38人)の方にご参加いただきました。
3つのキーワードで
“心のエンジン”を探る
今回の地域別交流会のコンセプトは、「ありのままの言葉で出会い、ひらめきが生まれる場」。財団から一方的に何かをお伝えするのではなく、参加者の皆さんが対話する中で、それぞれ新しい問いやひらめきを得られるような創発型の交流会を目指しています。
冒頭ではまず3会場をオンラインで繋ぎ、これから一緒にひらめきを得ていく仲間同士で“顔合わせ”をしました。その後、常務理事の妹背より開会の挨拶をさせていただき、いよいよ交流会のスタートです。
当日に開催している3会場をオンラインで結んで、今日一緒に“探検”する仲間に大きく手を振ってご挨拶!
オリジナルアプリを使った「チェックイン」を実施。「どの都道府県から来たのか」「交流会は何回目の参加か」といった質問にスマホから答えると、一番多かった回答が大きく画面に映し出される仕組み。
最初は「教育における“心のエンジン”とは?」という問いに対し、各自3つのキーワードを挙げていただき、3~4人のグループ内で、なぜこのキーワードを選んだのか、その理由やきっかけ、関連するストーリーなどを話し合う「トライアローグ」を実施しました。「トライアローグ」とは、「トライアングル」と「ダイアログ」をかけた造語です。話し手の右隣にいる方が心に残ったキーワードを付箋に書き留め、話し終えた後に本人へ渡します。その際に参加者の皆さんに意識してもらっているのは、3つの「グランドルール」。①「違い」を味わい、面白がってみましょう、②まとまらない言葉でも大丈夫、「知らんけど~!」な意見が立場を超えたひらめきになる、③問いかけ合い、皆の声を巡らせましょう、の3つを頭の片隅に置いていただきながら「トライアローグ」を実施してもらいました。全員が話し終わったら、今度はもらった付箋や自分のメモを振り返りながら、自分の問いとそれに対する気付きを整理していきます。
「教育における“心のエンジン”」のキーワードを書き出し、グループの皆さんに共有します。聞いている方は、気になったことを付箋に書き出します。
改めてキーワードにし、さらに3つに絞ることで、自分自身の考えが整理され、これから何をテーマにして話し合いたいのかが明確になってきます。
自己紹介でアイスブレイク -日曜夕方おなじみのキャラクターを皆で描こう-
交流会では自由な立場で話し合っていただくために、最初はあえて肩書きをヒミツにしています。前半と後半でグループを入れ替えて対話を行いますが、新しい仲間との親睦を深めてもらうために、ユニークな自己紹介に取り組んでもらいました。まずは色も形も自由に5つの丸を描いてもらい、それを基にお名前やどこから来たのか、そしてこの5つの丸へのこだわりやポイントを話しながら自己紹介。「戦隊モノが好きだったのでそのカラーに揃えました」「自分の好きな色をまず描いて、そのあとバランスを見て配色を考えました」「先日スイカ割りと桃狩りをしたので、それをイメージして…」等々、多彩なエピソードが飛び出ました。
休憩時間には肩書きも含めた皆さまのプロフィールをお配りし、名刺交換も解禁。後半の新しいグループでの自己紹介では、似顔絵リレーにチャレンジしてもらいました。チームで協力し、各々が顔の輪郭、目、鼻、髪形などパーツを分担して描き、似顔絵を完成させるというもの。お題は日曜夕方アニメでおなじみの一家の主人公。一人10秒でどんどん描いていかなければなりません。「似てる似てる」「そんなんだっけ」といった声が飛び交ううちに終了。完成したお互いの似顔絵を見せ合い、会場は笑いに包まれました。
重なったり、大きかったり小さかったり、カラフルだったり。いろいろな5つの丸が飛び出しました。
最初の自己紹介では肩書は秘密。名前と出身地といった簡単な自己紹介とともに、なぜこの5つの丸を書いたのかも皆さんに説明していきます。
似顔絵リレーは焦りと笑顔にあふれた取組みに。誰がどのパーツを書くのかを事前にしっかり決めておくことが意外に重要かも⁉
大阪会場の皆さんが描いたあのキャラクター。似てても似ていなくてもかわいい似顔絵が集合。グループの個性が出ていますね!
キーワードから
「探検の地図」を作っていく
後半は「トライアローグ」の付箋を参考にしつつ、改めて自分がこの場で話したいテーマを決め、参加者同士でそのテーマを広げたり深めたりしていく「探検タイム」に取り組みます。自分のテーマをグループメンバーに共有した後、テーマを広げるのか、一つに絞るのか、新しいテーマにするかはグループにお任せ。キーワードや印象に残ったことをどんどん付箋に書き、貼っていきながらディスカッションを進めます。約1時間の「探検タイム」は、司会者が終了をアナウンスしてもなかなか話が止まないほど白熱しました。
いったん休憩を挟んでクールダウンした後、大きな模造紙と付箋を使って、これまでの話し合いを振り返り、どのようなキーワードがあったか、そこから得られた気付きや発見は何か、テーマがどのような過程で深まっていったのかを整理し直して、「探検の地図」を作っていただきました。
約1時間の探検タイム。テーマを広げたり、焦点を絞ったりを繰り返しながら話を進め、新たな気付きや発見を見つけてもらいました。
探検の地図作りをしながら、これまでどんなプロセスをたどって話をしてきたのか、そこから見えてきたことは何かを整理していきます。
文字にして対話のプロセスを俯瞰してみると、新たに見えてきたことや気づきもあるはず。
探検の間、終始笑いが絶えないグループからは、「全員で『それだ=ひらめき』につながる瞬間がとても気持ちよかった」という声がありました。
最後はその「地図」を使って共有の時間。会場によっては、自分たちの「地図」を解説する側と他のチームの「地図」を見て回る側とに分かれたり、各々のテーブルを回ってみたり、あるいは全体に向けて1グループずつ順番に発表するなどのスタイルで、お互いの「探検」の結果を共有し合いました。「探究活動の属人化からの脱却」「いつからおもんない探究学習になってしまったのか」「ワクワクをwell-beingに繋げるには」「探究×教科×安心×失敗」「生成AI+知らんけど」「最初の一歩を踏み出すためには」「先生も生徒も楽しめる探究とは」「Society6.0はどのような社会になっているか」「探究の壁とは」「非認知能力の測り方」などテーマはさまざま。地図をスマホで撮ったり、深くうなずいたり、メモを取ったりと、他のチームの探検からも学びやヒントを得ている参加者の皆さんの姿が見られました。その熱も冷めやらぬまま、いったん交流会は終了。続きは懇親会で語り合っていただきました。
各グループ5分程度で「探検の地図」について説明してもらいました。
対話の中で出てきたアイデアの付箋がたくさん貼り付けられた「地図」も。
発表いただいたテーマは全員が共感できる内容ばかり。スマホで撮影されている参加者もいました。
大阪会場はグループの半分が説明要員として残り、残りのメンバーは他のポスター発表を聞きに行くというスタイルで、今回の交流会でたどった軌跡を共有し合いました。
本日のワークショップの
満足度を教えてください。(10点満点中)
新しい気付きや感想、
今後取り組みたいこと、
ここで生まれたアイデアなどを
教えてください。
「総合的な探究の時間」の企画運用の責任者として、さまざまなプレッシャーがあったが、いろいろな方々と話をさせていただき、少し気持ちが楽になりました。(カテゴリー1/仙台)
探究の成果(発表)を立派なものにしすぎていることが探究をとっつきにくいものにしているのでは、という話は目からうろこだった。(カテゴリー1/仙台)
立場の違うメンバー(大学、高校、NPO)でグループを組めたため、それぞれの立場からの意見が聞け、探究プログラムの構築者としても、協力する立場の大学教員としても大変参考になりました。(カテゴリー2/仙台)
“ほしい未来”というゴールが明確になりました。「総探好きの先生」と「探究好きの生徒」が目指すべき姿だと思うようになりました。そのためには、教員・生徒共に小さな成功体験を積み上げること、「共有の時間⇒共感」の確保が必要だと思いました。(カテゴリー1/東京)
学校現場でどうしても葛藤を感じる、ワクワク対リアルをどうクリアするか。そのアイデアを今回いただけたと思います。どうしても出口ばかりを考えがちな学校で、それをうまく社会と繋げる方法、それが「人を喜ばす」ということに気づくことができました。(カテゴリー1/東京)
社会教育のフィールドで活動する自分が、先生方と対等に対話をしながらどのような学びを届けたいか考える時間が持てて、とても充実した時間でした!(カテゴリー2/東京)
現在、全国6校の高校と探究活動のアップデートに取り組んでいる中で、高校の現場の先生方に、生の課題感やもっとこうしたいという想いをお聞きすることができました。(カテゴリー3/東京)
普段先生方が試行錯誤されている内容をお聞きし、もっとフラットな子どもも大人も混ざったプロジェクトを立ち上げ続けることが大事かもと思いました。(カテゴリー5/東京)
探究活動での学びを深めるために、生成AIとの対話による情報収集や学習サポーター的な役割を担ってもらうことの意義について話し合った。その中でもっと気楽に話し合うこと、探究を進めること、結果そのものを求めず、多様な意見でとどめることも大切だという話になった。それが「知らんけど」の精神なのではないかと思う。生成AIという人工知能と、「知らんけど」という精神論を大事に今後活動を進めていきたいと考えている。(カテゴリー1/名古屋)
大学の先生が多く、新たな視点で探究を見ることができた。大学の先生方の負担感など、必ずしもいつも前向きではないということに気づかされた。高校生が大学にお願いする場面では、この視点を大切にしたい。(カテゴリー1/名古屋)
最終的には「踊れ」というワードが出てきました。探究活動に対する教員の温度感はありますが、「どうせ踊るなら踊らにゃそんそん」という気持ちで教員も楽しんでもらえればいいと思いました。すてきなワードが生まれてきてよかったです。(カテゴリー1/名古屋)
「知らんけど~」という言葉が発せられる環境をつくりたいと思います。決して投げやりな意味ではなく、さまざまな意見を許容する深い言葉だと思います。(カテゴリー4/名古屋)
成果物はモノであることが絶対と考えてしまうこともありますが、今回自分たちで話し合った際に「成長し続けること」を成果物としました。そのマインドは教師も生徒も大切な気付きであると今感じています。(カテゴリー1/大阪)
地域課題や社会課題ばかりを考えさせて、ポジティブになっていない。豊かさを育む、好きから始める探究に戻そう!(カテゴリー1/大阪)
非認知能力は測ろうと思えば適した評価指標もある。ただ個々の伸びを評価しようとしても、活動の特性上、必ずしも伸びるものではないので、意義があるのかは疑問が残る。一方で、探究の評価を文言だけでなく、数値で評価している現状の解決として、数値評価のための視点(評価材料や機会、ルーブリックなど)を細かくするなどの“評価の解像度を上げる”ことが重要だと気づいた。(カテゴリー1/大阪)
授業の一環として計画や評価の作成を行っていますが、他校の先生方との対話の中で、こうでなければいけないという固定概念に縛られていたなということに気づきました。例えば本校は知る→調べる→探究する→発表するという型を掲げていますが、そうでなくてもいいかもと思いました。(カテゴリー1/岡山)
個別最適化、DX・ICT、生成AI等、学校が変化していく中で、従来の学力感、学校の在り方とのギャップが大きくなっている。理想は学校教育のすべてが探究的なものに変わることで、現在は過渡期だと感じる。こういう時期だからこそ、学校とは何か、教育は本来どうあるべきかを議論し、考えることは有意義だと考えた。(カテゴリー1/岡山)
新たなアイデアとしては、先輩たちが行った結果や困ったことなどをまとめて、後輩に提示するということがあった。これはぜひやってみたい。(カテゴリー1/岡山)
前回の交流会で「やらされ探究」という言葉を聞き、それの改善を進めたいと思い、今回の交流会に参加した。その中で、「総合的な探究の時間」は教員にも熱量の差があるという話が出てきた。生徒のやらされ感を改善するためには、教員の熱の統一、そして何のために探究をしているのかという意識の統一が必要だと感じた。前回の東京の交流会とも繋がり、自分として成長できた気がする。学校に還元したい。(カテゴリー1/岡山)
生徒の知的好奇心の育成や探究活動の充実のためには、安心安全な学校の環境づくりが土台となる。そのためには教員の目線合わせや考える場づくり、安心のための時間や機会をつくることが不可欠である。学校全体にそうした風土が醸成されていくと、教員の生徒への接し方、生徒同士の関わり方、学校と社会のつながり方が変わってくると思う。(カテゴリー1/岡山)
探検パートでは「違いが自分らしさ」であること、それを楽しみつつ肯定することが大切であると改めて感じました。本交流会がまさに実践されていたように、楽しいことが心のエンジンになると考えます。(カテゴリー1/福岡)
生徒たちに主体性ややる気の発揮を求める前に、教員自身が心の余裕を持ち、楽しみながら、探究学習に取り組む必要があることに気づきがあった。孤独に頑張るのではなく、他の業種やセクターの方などが、学校の先生と繋がり、連携しながら進めるのは一つの手だと思った。(カテゴリー4/福岡)