2026年7月11日、理系進学に関心のある女子高校生約70人が参加するオンラインセミナー「第5回理系ブロッサム」を開催しました。
当日のプログラムは、女性お笑いコンビの「忠犬立ハチ高」のお二人と、教育系YouTuberの第一人者である葉一さんのトークセッションからスタート。その後、参加者の皆さんは、三菱グループの理系出身若手女性社員と現在理系を専攻している女子大学生、大学院生とのワークショップを行い、進路や職業の選択に関するヒントや助言をもらいました。
語る進路のリアル
最初に当財団常務理事の妹背正雄より開会の挨拶をさせていただいた後、高学歴女性芸人コンビとして知られる忠犬立ハチ高のお二人と、教育系YouTuberの葉一さんのトークセッションがスタートしました。忠犬立ハチ高のお二人は、山梨大学医学部卒で医師免許を持つノムラフッソさんと、上智大学文学部卒で英検準1級を持つ王坂さんによる若手コンビ。2024年「女芸人No.1決定戦 THE W」で第3位になるなど、現在ライブや各種メディアで活躍しています。一方、前回の理系ブロッサムに続いてご登壇いただいた葉一さんは、東京学芸大学卒業後に営業職、塾講師を経て独立し、YouTubeチャンネル登録者数220万人以上、再生回数8.7億回超えを誇ります。 忠犬立ハチ高のお二人は、岩手県内有数の進学校の同級生。高校1年生時には、既にプロの芸人を目指そうと話していたそうです。しかし歯科医の家に生まれたノムラさんは、幼少期に病院通いを繰り返していたこともあって自然と医師を目指すようになり、文理選択で理系クラスに。一方の王坂さんは、数学は好きだったものの、「世界を動かすのは言葉」という思いから文系に進みました。その後違う大学に進みながら、一緒に東京大学の落語研究会に所属。2021年には現在の芸能事務所と契約しましたが、ノムラさんは当時医学部に在学中で、プロの芸人でありながら医師国家試験に合格という快挙を成し遂げました。葉一さんが「医師免許を取って芸人なんて、もったいないと言われませんか」と質問すると、ノムラさんは「言われます。でも、必死で勉強したことも、芸を磨いたことも、自分の中では地続きで、無駄になっているとは思いません」と回答。営業マン時代に学んだことが、今に生きていると語る葉一さんも「もったいないかどうか決めるのは自分ですからね」と同意しました。 また葉一さんが「男性は理系、女性が文系という固定概念はまだまだあるが、お二人はどうだったのか」と投げかけると、ノムラさんと王坂さんが通った高校は、理系の男女比がほぼ半々だったため、理系であることの肩身の狭さについて、経験したことはなかったと言います。ところが「大学に入ったら男ばっかりで、びっくりしました」とノムラさん。仲間がいないとモチベーションを維持するのは確かに難しいかもとしつつも、「でも、社会に出たらそんなことはない。理系出身者でAI研究などに取り組んでいた方が、コンサルタントになっていたりする」とお二人は自身や周りの友人たちの進路について紹介。「孤独を感じても、今はSNS上で同じ興味を持っている人たちと繋がることもできるし、今日もこの後のセッションでそういう仲間を見つけてぜひ繋がってほしい」と高校生へメッセージを送りました。 鼎談後は、高校生からチャットで寄せられた質問に答える時間。「高校では頭がいい人が多くて、数学や化学がちょっと好きなだけで理系を選んでいいのか」という悩みに、ノムラさんは「少し好きなだけでもすごくないですか」。王坂さんは、「私も数学が好きだったけど、点数がとれなかったから、その気持ちわかります。理系のクラスで最下位になるんじゃないかって思うかもしれないけど、今考えるとそれはちっぽけなプライドで、周りが得意とか関係ないって強くなれたらいろんなことが面白くなると思う!」と答えました。また、「医療系と音楽系、どちらも興味があるのですが、どっちを選ぶべきでしょう」という質問にノムラさんは「両方やりましょう」と即答。「医者になりたかったのと同時にお笑い芸人にもなりたかったんです。両方やってみたら意外とできた。医学部出た後に、美大に通っている友人もいます。あとはそれに向けてどれだけ努力できるかだと思います」と語りました。最後に参加者に向けて、ノムラさんからは「やりたいことがあるというだけで素晴らしい。全部やりましょう。一生懸命やっていれば、きっと周りも納得してくれます」。王坂さんからは「周りに流されることは必ずしも悪いことじゃない。何か流されない自分の好きなこと、将来やりたいことがあれば、他のことは全部流されちゃっても、人生突き進んでいけます」と力強く語ってくれました。
先輩たちとの対話の時間
トークセッションに続き、3~4人ずつの参加女子高校生に対して、三菱グループ各社で活躍する理系出身の若手女性社員(企業名は下記参照)と、理系の現役大学・大学院生ファシリテーターがペアとなって26のグループを作り、それぞれZoomのブレイクアウトルームで対話をしていただきました。参加した高校生は1年生が3分の2を占め、7割以上が理系を選択済みか選択予定と回答しつつも、文理選択に悩んでいる層も一定いる状況。オンラインでカメラ・マイクをオンにした経験の少ない高校生も多い中、まずはアイスブレイクとして社員の自己紹介からスタート。社員の方から、高校や大学時代の興味・関心や生活、その頃の学びが現在にどうつながっているかなどを語っていただいている間に、高校生の緊張も徐々に解け、学生ファシリテーターのサポートの下、フリートークが進んでいきました。その後は、組合せを変えた高校生とファシリテーターだけのチームで、自分が参加したルームでのお話や、自身が気づいたことなどを共有し合うリフレクションの時間。そのチームで新しい企業講師が加わり、2回目のセッションに入ります。前回の理系ブロッサムではセッションとリフレクションを2回繰り返しましたが、今回は3回に変更。社員3人のお話を伺い、メンバーの異なる3組のチームで情報を共有することで、より多様な視点が得られ、それぞれの進路に対する方向性も広がったようです。 フリートークでは、「憧れている職業はあるが、その責任の重さを考えると尻込みしてしまう」「勉強と部活や友達との付き合いを両立させるには」「文系から理系に変わるのは難しいと聞くので、とりあえず理系にしたほうがいいのか」など、高校生からさまざまな悩みや質問が飛び交いました。 社員の皆さんからは、「学んだ知識が直接生かせなくても、理系に対する興味や考え方は、どんな職業にも役に立つ」「理系に進んでも文系の友人はたくさんできた。進路によって人間関係まで決まるわけではないので安心してほしい」「理系に行っても文系に行っても、またどんな仕事に就いても英語は勉強しておいて損はない」など、これまでの経験を基にしたアドバイスが聞かれました。また、これから就職という進路選択を迎えるファシリテーターからは、「最近はリベラルアーツの学部も増えているし、途中で転部することもできるので、それほど文理選択にこだわらなくてもよい」「工学系などは本当に女子が少ないけれど、学内にはたくさんいるから普通に友達はできる」「親や先生の言葉の影響は大きいかもしれないが、あくまでも一意見として受け止め、自分の興味や関心を優先してほしい」など、より身近な助言が寄せられていました。 最後に全員で感想を共有。「英語は多くの職業・進路で役立つことが分かった」「理系・文系どちらかに決めるというふうではなく、どちらもあり得るというグレーゾーンの中にいる場合は、自分に合った文系・理系のバランスを見つけて選択肢を探ることが大切なんだと思った」「医師・教師など責任が大きい仕事への不安があったが、責任の重さをやりがいに変えるというマインドが大事だよっていうことを教えていただいて前向きに思い直せた」「職業選びは人によって違うことが分かった。自分の軸を決めて将来の仕事を考えたい」など、新しい視点や気づきに出合った前向きな感想が多く聞かれました。 気がつけば、あっという間に約3時間が過ぎて会は終了。しかし、参加した高校生には、自身の進路における重要な羅針盤が得られた濃密な時間となったようです。
協力企業:AGC株式会社、キリンホールディングス株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、日本郵船株式会社、三菱化工機株式会社、三菱ガス化学株式会社、三菱ケミカル株式会社、三菱地所株式会社、三菱重工業株式会社、三菱商事株式会社、三菱倉庫株式会社、株式会社三菱総合研究所、三菱マテリアル株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、三菱UFJ証券ホールディングス株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社、明治安田生命保険相互会社(17社)
セミナー後、約50人の方から、
素晴らしいコメントを頂きましたので、
ご紹介します。
さまざまな人のお話を聞いたり、質問をしたりすることができて、新しい考え方に出合うことができたので、とてもいい機会になりました。今回学んだことも活かしながら自分の進路を考えていきたいです。
企業人、大学生、高校生の方とつながってお話しできる滅多にない機会でとても楽しめましたし、いろいろな意見やお話を聞けて、すごくためになりました。
理系に進学した複数の女性のお話を聞く事ができたことに加え、自分が気になっていることを質問することもできて良かった。また、発表されていた方々もそれぞれ異なる経歴や異なる性格だったので、進学や就職の複数の選択肢を知ることができたことも良かった。
同じ高校生で自分と同じように悩んでいる人もいることを知れて安心できましたし、皆さんいろいろな質問をしていてとても刺激をもらいました。たくさん悩んでどんな選択をしても自分が選んだものが正しかった!と思って進んでいきたいです。
話を聴くだけではなく、感想を共有したり、その場で質問をする時間が多くあり、自分の考えを言語化して伝えることができました。講演を聴くだけでは得られないことがあり、とても良いと思いました。
学校で教えてもらうのとはまた別の視点から理系の学部、お仕事や将来について、また文理選択について知ることができる機会で、とても有意義な時間になりました。
【薦めたい理由】
進路選択は将来に大きく関わってくるので、ぜひぜひ積極的に参加して欲しいと思いました! 私は高校三年生での参加でしたが、一年生の時に知っていたら、絶対に参加していたと思います!
文理選択をする上で、自分で勝手に決めつけてしまっていた部分があったので、そういった部分に気づくことができました。
直接関わりがある人には話しにくいことも、遠くに住む同年代の人達には不思議と抵抗なく話せて、いろいろな立場の方からお話を聴けるとともに、自分の考えを整理する良い機会にもなると思うから。
進路選択においてどの観点からものを見るか、今までの自分にはなかったものを教えていただけるので、将来の可能性が広がると感じたからです。
数学が好きで国語が苦手でも文系を選ぶ人もいるんだということが個人的に少し驚きでした。自分も似たような立場なので少し安心しました。
勉強を頑張りながらも芸能活動をされてるということにびっくりしました! 私もみなさんのように、たくさんのことにチャレンジして、勉強も努力していきたいです!!
読売中高生新聞読んでいたら、忠犬立ハチ高さんが好きで目に入ったのが、理系ブロッサムでした。ちょうど文理選択に悩んでいた自分に背中を押してくれそうなこのイベントに参加できたので、とても感謝しています! そして、トークセッションでは楽しみつつとても貴重な話が聞けて良かったです。
いつもは画面越しに見ているだけの方々で、そういった方々がどうやって進路選択をしたのか考えたこともなく、とても新鮮で楽しかったです。
学業とお笑いの両方の観点からのお話を聞くことができて進路選択の参考になりました。私もやりたいことを諦めず、両立させることを頑張ろうと思います!
どの方も、自分をしっかり持っていて、とてもかっこいいと思いました。なので将来こんな大人になれるように、今のうちから自分の芯となりそうなものを探していきたいと思いました。
3回の対話で話していた内容はどれも違っていて、けれど話されていたことは参考になるものばかりで、とっても楽しかったです。
自分にはない価値観や考えなどに出合えた。その中でも自分の心に響いたものに出合えたのはとても大きい収穫だった。
皆さんのプレゼンがとても素敵で、興味を惹くものばかりでした。質問にもたくさん答えていただいて、身近にはいない知らなかった職業についても学ぶことができました。
高校生からの視点だけでは分からないような現実が講師の方々から聞けてとても楽しかったです。また、進路選択についての悩みを相談させていただいた時も、とても参考になるアドバイスを頂いて、進路選択の決め手になりました。
理系の選択をしたら、そのままずっと理系の進路を進むのかな、となんとなく思っていたけど、理系に進んだ人の進路は理系だけではないのだなと思うことができました。普段聞けないようなお話を聞くことができて良かったです。
同世代の文理選択で悩んでいる方と話せたことがとても貴重な機会でした。理系の大学に進まれた先輩方の話を聞くことができ、自分の興味があることに突き進んで何事にも挑戦してみようと思うことができました! 将来理系ではない職業についたとしても、自分の学んできたこととつながるともお聞きしたので、自信を持って進路を考えしっかり勉強していきたいと思います。
とても面白いし、周りの人にもぜひ薦めたいなと思えるイベントでした。私はあまり積極的に質問したり発表したりすることが得意ではないのですが、今日はたくさん挑戦することができました!とても楽しかったです!
とても素敵な時間でした! 学校の講演会などでは常に受け身の姿勢なので、このような場で自分の不安を解消できて良かったです。
理系に対して、あまり積極的に考えることができなかったですが、理系を選ぶと文転もできたり就職にも有利になることが多かったりさまざまな道があることを知ることができ、実際理系を選んだものの文系に就職された話も聞けたのでとても良かったです。ありがとうございました。